2011/08/30(火)ソフトフォーカスのレンズ_2

 ベス単レンズを一眼レフボディーに装着して、ソフトフォーカスレンズとして使う方法は、前回紹介したように、30 年前の CAPA 創刊2号にも載っています。
 記事の中に、「ベリトなどもあるが・・」という一節がありました。ベリト?・・聞き慣れないレンズです。どうやらドイツ製の軟焦点レンズのようですが、詳しい情報は得られませんでした。クラシックカメラの部類に入るようです。

 当時、ソフトフォーカスのレンズと言えば、イマゴンが代表格でした。絞りに蓮根みたいな穴があいたレンズです。複数の穴が回折現象を起こし、独特の軟焦点画像が特徴です。
 普通の絞りが別についていて、ソフトフォーカスをコントロールするのにコツが要るレンズでした。当時、ローデンシュトックの国内代理店は PENTAX だった関係で、6x7 用にイマゴンアダプターが供給されていました。

 ベス単ブームにヒントを得たのか、PENTAX から球面収差を利用したソフトフォーカスレンズが発売されます。焦点距離は 85mm でした。ポートレート用ですね。
 絞りを開放付近で使えばソフトフォーカス、絞り込めば一般撮影に利用できます。ベス単と同じ原理です。

 ソフトフォーカスのレンズは、販売数が見込めないので割高です。球面収差を補正しきれていない、言ってみれば「欠陥」レンズなのに割高というのは、ちょっと抵抗があります。
 手っ取り早くソフトフォーカスレンズを手に入れたかったら、クローズアップレンズを流用する手があります。レンズの先端に付けるのではなく、クローズアップレンズだけで撮影します。焦点距離は度数によって変わります。

 一枚もののレンズだから球面収差が残っていて、ほどよいソフト効果が得られます。ただし、2枚合わせの AC クローズアップは不向きです。ソフトフォーカス効果は、安物のシングルレンズに限ります。
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