2009/09/27(日)フリー台紙とフエル式

 ビスを継ぎ足してフリー台紙が増やせる形式のアルバムは、長い間、写真整理の主役でした。フリー台紙はコクヨ、フエル式はナカバヤシの発案で、どちらも共通規格としてバーターしています。

 写真のサイズや縦横が自由にレイアウトできるのが特長です。写真以外のもの、例えばチケットや地図なんかもファイルできます。タイトルや説明文など文字情報が一緒に保存できるから、想い出いっぱいのアルバム作りが楽しめます。
 単純にL判の写真を1ページに6枚ずつ並べるだけなら、バインダー式のポケットアルバムと変わりません。抜き差ししやすいぶん、ポケット式のほうが便利です。フリー台紙を使う以上は、自分なりのレイアウトを考えたいですね。

 フリー式には、泣き所があります。透明カバーと写真を貼り付ける粘着糊が、経年変化で風化することです。何度も剥がすと劣化が進むので、一度貼ったらなるべく剥がさないようにします。
 それでも何年か経つと、アルバムをゆすると写真がパラパラめくれて落ちてくることがあります。保管してある場所によって寿命は異なりますが、それ以外に台紙自体の良し悪しが関係しているフシがあります。

 写真店の間では、台紙にランクがあるのは知られた事実です。一般的に、激安の特価品に使われている台紙は、質が劣るものが多いようです。糊の品質のほかに、台紙の中性度が守られていないものがあり、写真が変色する原因になります。
 長期保存に適した商品を推奨したい気持ちがあっても、ユーザーの価格志向を無視できないジレンマがありました。現在は、特価品を山と積んでも、以前のようには売れません。今こそ、上質なアルバムに絞って、粗悪品は排除すべきだと思います。

 フリー台紙には、通常の白のほかに、シルバー台紙やブラックもあります。婚礼アルバムにはシルバー台紙がよく使われます。
 色台紙は、写真のフチありとフチなしとで、貼ったときのイメージが変わります。白台紙は、フチなしのほうが写真が大きく見えてよいでしょう。

2009/09/26(土)写真をアルバムに整理する

 「こたつでアルバム」という日本的な写真文化が根付いたのは、現像したらすべて写真に焼付する「同時プリント」が関係しています。大量に貯まっていく写真を整理するために、アルバム作りは不可欠でした。

 アルバムには、フリー台紙とポケット台紙があります。フリーアルバムは保存用、ポケットアルバムはストック用と、特徴に応じて使い分けるのが写真整理のコツです。
 同プリのオマケでついてきたミニアルバムで済ます人がいますが、あまり賢明なやり方とは言えません。必要なければサービスを断るくらいの信念を持ちたいところです。
 ミニアルバムは、L判印画紙で3~4枚分のコストがかかります。写真店にとっては重たい負担です。

 結婚式の撮影を頼まれたときは、ポケット式のアルバムにファイルして渡すよう本サイトでは推奨しています。フリー台紙に貼ってしまうと、あとで剥がすのが大変です。フリーアルバムに整理するのは、結婚した当事者に任せるのがよいと思います。
 ポケットアルバムは、一冊に数百枚入るものがお奨めです。5冊組のボックスタイプでも構いませんが、順番がまぎれやすくなります。背表紙に番号をふっておくとよいでしょう。

 バインダー式のポケットアルバムは、中台紙を組み合わせることで、違うプリントサイズの写真をファイルできます。傑作をチョイスしてキャビネ(2L)に引伸ばしたときや、インデックス(一覧プリント)やデータCDを一緒にファイルしたいときに重宝します。
 仕切りのない四切のポケットファイルに、寄せ書きや席次表などを入れておけば、喜ばれること間違いなしです。普通は気にとめない料理の「お品書き」も記念に確保しておきたいもののひとつです。

 それらをどう整理するかは、当事者に任せます。面倒だからとそのままにするひともいれば、スクラップブッキングに挑戦するひともいるでしょう。

2009/09/25(金)写真を使ったクラフト

 スクラップブッキングが日本で普及しなかったのは、写真を切り刻むことに抵抗感があるのもひとつの要因だと思います。きちんと整理されたアルバムをこたつで広げて見るのが、日本の写真文化です。

 こうした伝統的な写真に対する考え方は、若い世代を中心に徐々に変わりつつあります。写真をデコレーションする発想は、プリクラが大きな影響を与えたようです。
 顔のまわりに花のイラストを散りばめたり、文字を合成したりするのが流行します。シールという仕上り体裁も遊び心に火をつけた要素でしょう。
 一時ほどのフィーバーはもうありませんが、いまでも根強い人気があります。

 写真からバッジを作ったり、キーホルダーにしたりと、いろんなグッズが開発されました。やはり、大人よりも子供が先に興味を示しました。製作加工する機械が安かったこともあり、街の写真屋や写真館でも設備するところが現われました。
 日本人は飽きやすいから、儲かるとこまでいったかどうかは知りませんが・・・

 数年前に、スクラップブッキングの紹介に力を入れていたノーリツ鋼機は、日本での普及は難しいと見たのか、最近ではほとんど目にしません。その代わり、クラフト関係のデザイナーの作品をウェブサイトで紹介しています。
 写真を楽しむノウハウを提供し、写真文化を育てていこうという姿勢は評価します。残念なのは、紙に焼く習慣が廃れつつあることです。クラフトを通じて、写真を飾って楽しむ人が増えるといいのですが・・・

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