2009/09/24(木)スクラップブッキング

 写真を利用した「一点モノ」には、Scrap Booking(スクラップブッキング)というジャンルがあります。台紙に写真を貼り付けただけのアルバムと違い、紙や布などを使ってデコレーションしたペーパークラフトの一種です。
 使用する写真は複製可能ですが、クラフトの部分は手作りとなるので、量産はできません。一応、一点モノといっていいでしょう。

 発祥の地はアメリカです。1980年代に急速に広まりました。大ブレークを受けて、日本でも普及に力を入れる企業や個人が現われました。残念ながら、日本では大ブレークとはいかなかったようです。

 この分野に早くから参入したのは、筆ペンでお馴染みの Kuretake(呉竹)です。クラフトに便利な素材や道具を商品化しています。現状では、扱っているお店が少ないのが難点ですが、一部の大手文具店・カメラ店などで入手できます。
 呉竹のコンセプトは、耐久性のある紙焼き写真(印画紙)と、写真に悪影響を与えない中性紙を使うことです。タイトルや文字部分には、耐久性のある顔料インクを推奨しています。本物志向ですね。

 プリンターのメーカーも参入しています。エプソンのホームページでは、スクラップブッキング専用のページを用意しています。
 企業がら、タイトルやコメントの文字出力だけでなく、絵柄や写真までもインクジェットプリンターを使う前提になっています。専用の素材を売るというよりは、テンプレートやノウハウの提供を主眼にしたサイトです。

 スクラップブッキングは、製作を外部に委託するデジタル写真集と違い、自分の手で作る手芸品です。好きなようにレイアウトできるのと、自分のアイデアが生かせるのが魅力です。
 その代わり、製作に手間が掛かります。ある程度のセンスやテクニックも必要です。そのぶん完成品に愛着が出ますが、工作が苦手な人には不向きかも・・・

 日本人は器用だといわれている割に、アメリカほど普及しなかったのは不思議に思えます。自由奔放のアメリカ人に比べると、遊び心が欠けているせいかもしれませんね。

Scrap Bookingの参照サイト(Kuretake)はコチラから

2009/09/23(水)写真から一点モノの絵画に

 デジタル加工の絵画調プリントは、何枚でも複製が可能です。リサイズして大きさを変えることもできます。
 あくまで個人が利用する場合は、複製可能だからといって、価値が下がるわけではありません。1枚しか作らなければ「一点モノ」には違いないからです。

 手で描く絵画は、正真正銘の一点モノです。複製する場合は、もう一度描き起こすことになり、微妙な違いが生じます。
 世界でひとつ・・というなら、写真を元に画家に描き起こしてもらうのが、一番間違いない方法です。似顔絵や肖像画を手がける画家は大勢います。水彩画なら、専用プリンターで出力するのと、あまり値段は変わりません。(画家にもよりますが・・)

 写真から一点モノのウェルカムボードを作っている会社があります。手書きの絵です。同じウェルカムボードを複数作るカップルは、まずいないから、ひとつあれば事足ります。
 サンプルを見たら、二人の似顔絵に文字を組み合わせたイラスト風のポスターが主流です。本物の絵である必要はないように思いますが、やはり一点モノへのこだわりでしょうか?

 写真を元に、そっくりさん人形を作っている企業もあります。
 ウェルカムボードに貼り付ける小さなものから、高さ数十センチのぬいぐるみまで、いろんな種類があります。ボディーや衣装は既製品ですが、顔の部分はオリジナルの手作りのようです。
 ブライダル用は必ず2体ペアだし、衣装代が余分にもらえたりするから、製作する側としては、おいしい仕事ですね。

 知人が、そっくりさん人形(ぬいぐるみ)の工房を経営していましたが、海外縫製が幅をきかせてきて、ずいぶん前に自社製作をやめてしまいました。手仕事は、人件費の安いアジア圏には勝てないようです。

 絵画にしても人形にしても、元になる写真が悪ければ、結果は期待できません。写真の良し悪しがモノを言う世界です。

2009/09/22(火)絵画調のプリント

 結婚式の写真を記念に残すなら、陶板写真のほかにもいろいろあります。クリスタルガラスに彫刻したり、タペストリーにしたりと、いろんなアイテムが用意されています。
 なかでもお奨めなのは、キャンバス地を使った絵画風のプリントです。

 銀塩時代のキャンバス加工は、印画紙の表面を剥離して、キャンバス地に圧着させる技法が一般的でした。表面に保護加工を施せば、長期保存が可能です。
 デジタル時代になって、インクジェットプリンターで直接キャンバス地にプリントする方法が普及します。元の画像を絵画調に加工しておけば、油絵のような仕上りになります。

 デジタル出力は、印刷するベースを紙から布に替えただけのものもあれば、専用のプリンターを使った高級美術印刷もあります。
 もちろん印刷のクォリティーが高ければ、値段も高くなって当然ですが、なかには汎用プリンターで出力しただけなのに、高額な料金を設定しているところがあるので注意が必要です。製作を依頼するときは、どのようなやり方をしているのか、事前にチェックしたほうがよさそうです。

 出力形態が絵画風であれば、サイズは4号とか10号という表示になります。A2やB3といった表示だったら、汎用の大型インクジェットプリンターとみてよいでしょう。価格設定が安い場合も汎用プリンターの可能性が大です。
 絵画サイズの4号は、写真サイズでいうと四切、10号は全紙くらいの大きさです。専用プリンターだと、4号で1万から1万数千円、10号で2万円前後かかります。汎用プリンターなら半額以下で済みます。

 この他に額代が必要です。長いこと飾っておくものだから、あまりケチらずに、そこそこ見栄えのするものにしたいですね。
 日本では、写真を家のなかに飾る習慣があまりないようですが、欧米では家中に額装した写真が溢れているのが普通です。まずは絵画風の写真を飾るところから始めてはどうでしょうか?
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