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2011年06月07日の記事

2011/06/07(火)フィルム映画とデジタル

 画像を表示するディスプレーの話題をとりあげたところで、デジタル技術がようやくフィルム画質に近づいてきた実感が湧きました。
 ハイビジョンは、35 ミリ映画フィルムの画質を目標に開発されましたが、超えるところまでは行っていませんでした。4K2K(ハイビジョンの4倍)の登場は、映画フィルムの衰退を促すのでは?

 35 ミリ映画フィルムは、写真用 135 サイズと同じ規格です。縦送りで横位置画面だから、1コマがハーフ判くらいのサイズです。実際には 1mm 狭くなります。京セラの「サムライ」シリーズは、ハーフ判(24mm × 18mm)ではなく 35mm シネサイズ(24mm × 17mm)でしたね。

 映画は、1秒間に 24 コマ必要です。36 枚撮(ハーフで 72 枚撮)をたった3秒で消費してしまいます。1時間だと 36 枚撮で 1200 本分になる計算です。
 アマチュア用の 8mm 映画は、リバーサルフィルム(透明陽画)ですが、映画館用の撮影フィルムはネガです。編集した後でフィルムに転写して透明陽画にし、それを映写機で投影します。同時に上映する映画館がいくつもあるからです。
 スチール用より割安だとしても、フィルム代と現像料がしっかり掛かります。捨てコマもあるから使う量は膨大です。それでもフィルムが使われるのは、制作予算の桁が違うからでしょうか?

 ハーフ判程度のサイズでも、走査線数で約 3000 本相当だと言われています。映写機がデジタル化されても、撮影段階はフィルムが使われるとの予測は、画質の問題があるからでしょう。監督の拘りもあります。
 それと、映画館のまだ多くがデジタル映写機を設備していない事情もあります。映画館にとってデジタル化の設備投資は大きな負担です。ここ1~2年でかなり普及したきたようですが・・・

 当面は、フィルムで撮影し、フィルム転写とデジタル変換で両方に対応するやり方が続くと思います。映画館の大半がデジタル化されたあとどうなるか?ですね。
 映写機のデジタル化で、映写中にフィルムが切れたときのヤジ(「カネ返せ!」)が聞けなくなるのは、ちょっと寂しい気がします。
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