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2011年06月23日の記事

2011/06/23(木)「使いきりカメラ」のリサイクル

 「写ルンです」のような使いきりのカメラは、回収されてリサイクルされています。フィルムは現像処理を伴うから、受付窓口が限定されます。ほぼ全数が回収可能です。

 出始めのころは「使い捨てカメラ」と呼ぶ人がいました。使い捨てカイロと同じ発想です。それではまずいと、メーカーによって「使いきり」「撮りきり」という言い方を推奨していました。
 「写ルンです」は FUJIFILM の登録商標で、「レンズ付きフィルム」(略称は LF)が正式名称です。カメラと言わなかったのは、当時は物品税の関係があったからだと思います。

 これら使いきりカメラは、各メーカーの共同歩調でリサイクルされることになります。ストロボユニットなどは、検査して再利用します。フィルム1本撮って捨てるのは、もったいないですね。
 実際には、リサイクルに掛かる費用のほうが、製造コストより高いかもしれません。それでもリサイクルに踏み切ったのは、社会的な責任のほかに、高収益のドル箱商品だったからでしょう。

 フィルム全盛時代には、全数は回収できませんでした。途中で闇ルートに流れたものがずいぶんあったみたいです。それ専門の買取業者が暗躍していました。
 狙った先は市中のミニラボ店です。1個十数円で買い取っていたようです。リサイクルに回すため、メーカー系列のラボに渡しても手数料はゼロです。内緒で流す店がありました。

 闇ルートに流れた筐体は、別のフィルムを詰め直して再生品として市販されました。感材メーカーは、違法行為だとして訴訟にまで発展します。
 もぐらたたきの末、再生品を扱う業者は次第に姿を消しました。割に合わないと踏んだみたいです。デジタル化の波が押し寄せ、販売本数が激減したことも影響したようです。
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