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2011年07月02日の記事

2011/07/02(土)ストロボ屋の強者所長

 国内のストロボメーカーはいくつかありますが、とくに懇意にしていただいたのは PROPET です。前身は KAKO ストロボのプロ機材部門です。KAKO プロ機材は一旦姿を消しましたが、しばらくしてから PROPET として再生します。

 KAKO ストロボは、当時は日立コンデンサーの系列でした。ストロボ事業からの撤退で、社員は日立グループに分散しました。PROPET 再生時に当地の責任者に赴任したH氏は、日立家電に在籍していたそうです。
 どうしてもストロボの仕事がもう一度したいと、日立を退社して馳せ参じたと聞きました。骨のある人ですね。

 そんな経緯を知って、H氏には好感を持つようになりました。あまり接点はなかったのですが、会う機会があれば、親しく話をする間柄でした。
 キャンセルになったジェネを処分するときに、声を掛けて貰ったこともあります。今使っている 1250Ws のジェネや 800Ws のジェネは彼の斡旋です。写真館など業者に処分話を持っていくのは、支障があったからかもしれませんね。

 顧客のためには骨身を惜しまず積極的に動いた人でしたが、無理が祟ったのか脳溢血で倒れてしまいました。病院に見舞いに行ったときに、口はきけないけど何か言いたそうな表情だったのが印象に残っています。
 奥さんの献身的な看病にもかかわらず、とうとう帰らぬ人となります。彼の後を継げる人はいないだろうと皆言います。同じように働けば、また同じ運命を辿ることになりかねません。それほどよく動いた人でした。

 「酸化セリウム」の先生も懇意にしていました。H氏に頼まれて、理容店の写真セミナーの講師を務めたことがあります。機械製造の技術者に撮影技法のレクチャーをしたこともありました。彼の情熱に押されて、損得抜きの付き合いでした。

 先生の手元にあるフラットタイプのスカイライトボックスは、閃光管がコルツ管に替えてあります。写真館向けの仕様では、コマーシャル撮影に耐えられなかったからです。役に立たないものは売れないと、H氏が自分の裁量で閃光管をすべて交換しました。
 こういう強者は、もう現われないかもしれませんね。ご冥福をお祈りします。
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