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2011年07月15日の記事

2011/07/15(金)呉服屋と写真館のコラボ

 その道のプロが協力し合うのを理想とする写真スタジオの先生は、呉服屋に頼まれて、振袖の出張写真を撮っていた時期がありました。10 年以上続いていたそうです。

 適当な妥協を許さない先生と、商売本位の呉服屋とは次第に意見の違いが重なり、その関係は破綻することになります。ほかの写真館と契約するようになってからは、その呉服屋とは疎遠になっていきました。

 「第2サティアン」に預かってもらっていたスタジオ機材は、実はその呉服屋から頼まれたものでした。契約していた写真館を袖にして、自前で写真スタジオを運営したいということでした。知り合いの呉服関係者からの紹介です。

 本物志向の先生には、事前に報告しておきました。何でも内製化して自分の利益にしようという姿勢は、いずれ本業をダメにするとの見解でした。おっしゃる通りかもしれません。自分とはもう関係がないから、好きにすればいいと言ってました。

 先生の予想通り、その呉服屋はしばらくして破綻します。知り合いの「元締め」から連絡がありました。日本全国どこでも、呉服業界に何か異変があったら 24 時間以内に情報が入るという事情通です。
 「その後、関係はないか?」との通報でした。紹介した手前、気になったみたいです。もちろん関係はありません。すぐに本物志向の先生に連絡を入れました。

 「やっぱりね」というのが先生の第一声でした。本業以外のことで欲を出して、ほかの領域に中途半端に手を出すと、肝心の本業がダメになるとの言い分です。彼らしい分析ですね。

 気を遣って連絡してくれてありがとう・・と言ってました。潰れた呉服屋の社長には一目置いていたから、これからのことを心配していました。「ざまぁ見ろ」と言わないところが彼のいいところです。
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