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2011年07月03日の記事

2011/07/03(日)写真スタジオのレール組み

 写真館のスタジオ設備で目にとまるのは、天井に組まれたレールです。ライトを吊下げ、自由に移動できるようになっています。自由といってもレールの動く範囲ですが・・・

 レールの素材はアルミです。断面がH型のレールを 90°寝かせた状態で天井に固定し、その下側にランナー金具をかませて、移動用のレールを取り付けます。
 ストロボのヘッドは伸び縮みするパンタグラフで吊下げます。メインライトは、上下左右に動かすことができるようにするのが一般的な設置方法です。

 写真館は、人物の記念撮影がほとんどだから、このやり方が有効です。床にライトスタンドなど邪魔なものがないので、スタジオが広く使えると、全国に普及しました。
 実際には、ライトの位置を動かすことはほとんどないみたいです。言ってみれば過剰設備ですが、天井にレールを組むことが写真館のステータスになったようです。

 一方、コマーシャルフォトがメインのスタジオは、レールを組むことはしません。撮影内容に応じてライティングが大きく変わるからです。普段は機材庫に仕舞っておいて、仕事が入ったときだけライトを組み立てます。撮影が終わったら、すべて片づけるのが決まりです。

 「酸化セリウム」の先生はコマーシャル系だったから、レールやパンタグラフとは無縁でした。その代わり、傘立てみたいなラックに、ライトスタンドが何本も並んでいます。頭上にライトを吊下げるブームスタンドなんてデカイのもあります。
 撮影のときは、ライトやレフ板が林立して、足の踏み場もない状態になります。一般の人が利用するわけではないから、これでいいのでしょう。

 「写真館のあのレールは理解できん」と、よく言っていました。人物撮影でもライトの組み方が写真館とはまったく違います。フロントライトを使うことは、ほとんどないみたいです。
 人物と背景は別々にライトを組むのが、コマスタ流のライティングです。レールから吊下げられたライトでは、自由がきかないということでしょうね。
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