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2011年07月26日の記事

2011/07/26(火)APS対応の負担

 ミニラボ店では、APS に対応するため、追加の設備投資が負担となりました。フィルムキャリアのほかに、インデックスプリントを出力する装置が必要です。既存の設備を改造するか、プリンターを買い換えるかの判断を迫られました。

 こうした設備投資は、パノラマサイズが登場したときも同じでした。このときは、プリンターの改造で済ませた店が多かったように思います。六つ切がプリントできる機械なら、89mm 幅のペーパーを使ってプリントできました。

 行きつけの写真店は、外注先のラボの請求書を見て、パノラマ改造しても元が取れると踏んだそうです。そのくらいパノラマプリントが増えた時代が一時期ありました。
 L判を2枚つないだだけなのに、1:3の横長のプリントはインパクトがあったみたいです。画質的にはポケットフィルム(110)をL判に焼いたのと同じくらいです。画質が悪いからパノラマでは撮らない・・という声が少なかったのは意外でした。

 APS への対応は、インデックスプリントが必須です。そのための専用プリンターも登場しました。ハガキサイズほどの昇華型のプリンターです。プリントコストが高いのが難点でした。
 プリンター自体を買い換えた店は、印画紙でインデックスプリントが出力できました。こちらはコスト的には有利です。135 サイズからもインデックスプリントが焼けました。APS が出たことで、従来の 135 ユーザーにも恩恵があったわけです。

 そうこうしているうちに、時代はデジタルへと大きく変わっていきます。デジカメからプリントできるように、再び設備投資が必要になりました。
 それでもデジタル対応機に買い換えられたのは、ミニラボ店にまだ余力があったからです。その源はフィルム現像の利益でした。それが急速に減少します。
 いまになって考えると、APS の登場は、結果的にミニラボ店に余分な設備投資を強要し、体力を奪っただけかもしれませんね。
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