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2011年07月30日の記事

2011/07/30(土)APSが貢献したものは?

 APS フィルムが姿を消しても、デジカメのフォーマット規格として引継がれている・・という意見をネット上でよく目にします。APS-C や APS-H というサイズです。
 この見方には、少し違和感を覚えます。フィルム規格の APS と直接関係はないように思うのですが・・・

 そう思うのは、一眼各社から APS(IX240)規格のレンズ交換式一眼レフが発売されたのに、その資産を継承していないことです。
 なぜ APS-C のデジカメが、PRONEA 600 や IXY-IX50、Vectis S2 ではなくて、135SLR のフォルムになったのか・・不思議に思うのは私だけではないのでは?

 フィルムカートリッジや巻取り部分のスペースは不要としても、デジタルカメラにはメディアの収納スペースのほかに、画像処理エンジンが必要です。とことんコンパクト化に拘った IX240 SLR のボディーでは、無理があったのかもしれません。

 それよりも IX240 SLR が売れなかったという事実が、トラウマになった可能性が大です。普及しなかったシステムを引継ぐより、市場シェアを獲得している 135 SLR の規格に乗ったほうが有利です。レンズの設計基準がイメージセンサーに対応していなかったのかもしれません。
 APS の登場が、デジタル化までの中継ぎや延命策と言われながら、デジタル時代への地固めとならなかったのは誤算でした。

 おっかなビックリのメーカーは、銀塩時代の資産を継承できるかのようなポーズをとり、フォーマットだけ小さくして、筐体のダウンサイジングを後回しにします。手に白い粉を塗り、子羊に「お母さんの白い手だよ」と差し出す狼みたいなもんですね。
 狭く見づらいファインダー、必要以上のミラーボックスとフランジバック。ミラーレス一眼が登場するまで、この傾向は続きます。

 そういえば、フォーサーズやマイクロフォーサーズは、ポケットフィルム(110)とほぼ同じフォーマットです。こちらを 110 サイズの継承と言わないのは、不公平なのでは? (110 ではイメージダウンか・・)
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