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2011年07月14日の記事

2011/07/14(木)趣味で固めたスタジオ

 車ごと撮れるスタジオを造った先生は、何事にも本物志向で、適当にごまかすのは嫌いな性分です。ブランド品や衣装について語らせたら、なかなかうるさい男です。
 いい仕事をするためには、その道のプロが協力するのが最善というのが持論で、七五三や振袖などの衣裳は一切置いてありません。衣裳は専門店に任せればいいというスタンスです。

 先生も奥さんもメイクをさせたら玄人はだしなのに、ここ一番の撮影には美容師を呼んでいます。理由を聞いたら、「プロにしかできないことがあるんだ」と言ってました。
 何でも器用にこなす人だから、付き合う職人さんはその道のプロでないと務まりません。自然とそういう人たちが集まってきます。

 アンティーク家具が趣味で、スタジオの什器はすべて本物です。自分だけ楽しむのはダメで、お客さんが利用する空間に置かないと意味がないんだそうです。もちろん、偽物は一切ご法度です。
 自宅にもいくつか置いてありますが、そこも撮影スペースとして使っています。だからお金をかけられるんだとか・・・

 若くして独立してから、贅沢を排して自分でできることはすべて自前でこなしてきた人です。前のスタジオの内装は、この先生の手による自作でした。入口の扉も自分で作ったというから器用な人ですね。取っ手は台所に使うステンレス棒でした。言われなければわかりませんでしたが・・・

 お客さんにも我慢をして貰ったから、新しいスタジオは満足して貰える空間にしたかったそうです。新たに借金して、立派なスタジオを造りました。内装のほとんどを自分でやったというから、その信念は半端じゃないですね。
 工事に来た左官屋さんに、「アンタは前、何屋さんだったの?」と聞かれたそうです。「最初から写真屋だよ」と答えたら、「??」だったとか・・・

 このスタジオの内装工事をしたのがそこの先生だと言っても、信じる人はいないでしょうね。立派な石造りのスタジオです。
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