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2011年07月05日の記事

2011/07/05(火)写真スタジオのホリゾント

 「酸化セリウム」の先生とは長いつきあいです。中学・高校と一緒でした。その後、彼は大学の写真学科に進学し、東京でプロのカメラマンになります。長いこと音信不通でした。

 東京のスタジオを辞めて独立し地元に帰ってきた・・という話を聞き、仕事場に会いにいきました。保険会社のビルの一室です。戦後は進駐軍が使っていたというだけあって、石造りのレトロなビルでした。
 天井が高く、4m くらいあったと思います。壁一面にホリゾントが設置してありました。床との境が見えないように、アール状の傾斜がついたやつです。いわゆる「白ホリ」ですね。

 写真館の背景は、キャンバス地に塗装をかけたスクリーンを何本か設置するのが普通ですが、コマーシャル写真はカタログやポスターだから、白ホリ一つあれば事足ります。それ以外の背景色はペーパースクリーンを使いました。
 撮影の仕事が入るたびに、白いペンキで塗り直すそうです。下準備が大変ですね。蛍光色の入っていない撮影専用の塗料が市販されています。

 しばらくしてそのビルが解体されることになり、先生のスタジオは立ち退くことになりました。急きょ見つけたところは、天井が低くてコマスタ向きではありませんでしたが、敷金なしで家賃が安かったのが魅力だったみたいです。
 引っ越したスタジオの白ホリは、床面だけでなく天井面にもアールをつけて、バック切れをカバーしていました。前のスタジオとは雲泥の差です。

 写真館でホリゾントを設置しているところは、ほとんどないと思います。知っている範囲でホリゾントを採用したのは、車ごと撮影できるスタジオくらいです。
 倉庫を改装した広いスタジオで、床面だけでなく左右の壁面にもアールをつけて、バック切れしないようにしていました。車ごと撮影しようとすると、そこまでしないといけないみたいです。館主が自分で作ったというから大したもんですね。
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