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2011年07月08日の記事

2011/07/08(金)スタジオの引越し(続編)

 「酸化セリウム」の先生が引越したビル1階のスタジオは、居心地がよかったのか、しばらくそのまま続きました。なるべく長く居てほしいという、老夫婦の大家の希望もあったようです。

 ただ中心街に近いだけあって、家賃は安くなかったみたいです。しかも、1階の立地でアテにしていた「小売部門」はパッとしませんでした。
 あの先生に一般ユーザーへの小売を提案したのは、間違いだったようです。家賃の足しになればとの発想でしたが、ほとんど実利はなかったみたいです。

 高校時代の同窓生が印刷会社をやっていて、そこの契約カメラマンが撤退したので、代わりに来ないか?と誘いがありました。印刷会社のビルの1室です。
 小売部門はパッとしないし、家賃の負担が重かったこともあり、そこへ移転することになりました。印刷会社の仕事が回ってくるメリットを優先したようです。

 前のカメラマンがスタジオとして使っていた割には、手直しする箇所がいくつかありました。遮光のために窓に内扉をつけるなど、大工仕事が必要です。あまりお金をかけられないので、スカイライトの天井工事は手伝いました。

 お金をかけないとはいっても、これだけ何回か引っ越すと無駄な出費がかさみます。いわゆる引越貧乏ですね。折りしも写真のデジタル化で、撮影機材やパソコン関係の出費が増え、台所は火の車だったみたいです。
 機材に投資したのに、写真に要求されるクォリティーが低くなり、撮影単価は下がる一方です。こんな仕事はしていられないと、コマーシャルフォトから撤退することになりました。

 この印刷屋のビルが最後の事務所兼スタジオになりました。大地主で家賃収入があるから、出て行く経費がなくなれば黒字です。
 いくら腕がよくてもそれで食べていけないのがコマーシャルフォトの世界です。足を洗って正解だったと言ってました。
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