2010/09/30(木)期限切れのT64
レッドが浮いて、フィルターではどうしてもクリアできないと言っていました。一旦インプットされてしまうと、もういけません。「フジのタングステンはダメだ!」と、それっきりです。たまたま運悪くハズレの乳剤に当たったんだと思いますが・・・
それでも捨てようとしないのが、この人のしぶといところです。期限切れになればカラーバランスが崩れます。それが生かせる使い道がある、と言います。
もともと色がズレていたから、まともな発色になるのか、それともさらにバランスが崩れるのかは不明です。どちらに転んでもそれなりの利用法がある・・という考え方です。
いままでに期限切れのフィルムで、何度も窮地を乗り越えてきました。光源が入り混じった環境だと、フィルターワークで補正しきれないことがあります。カラーバランスが崩れたフィルムのほうが、補正しやすい場合があるんだとか・・・
「あの期限切れがなかったら撮れなかった」という話をよく聞かされました。「もう一度同じ撮影をと言われたら、3年は待ってもらわないと・・」なんて冗談も・・・
タングステンタイプの T64 は、135 以外は生産終了になりました。冷蔵庫の中の期限切れは、ますます貴重な存在になりそうです。