2010/09/15(水)ウルライカのデジカメ

 旧タイプ人間が、勝手に妄想したフルサイズのデジイチは、一般ユーザーには不評の新味のないものでした。これではフィルムが撮像素子に変わっただけで、銀塩時代のスペックのままです。

 個人的には、それのどこが悪い?と居直りたい気分ですが、製造メーカーとしては、人気のない売れないカメラを作っても採算が合わないから、耳を貸す気はないでしょうね。
 でも、本当に不人気で売れないでしょうか? もしそうなら、ライカ M9 は、人気のないカメラの筆頭ということになります。

 M9 は、デジタル式の強みであるライブビュー機能を敢えて搭載しませんでした。もちろん動画機能などもありません。複雑な距離計連動式ファインダーを装備しています。いままでのライカMシリーズと同じ作りを頑なに守りました。そのため、135 フルサイズの撮像素子を採用したボディー価格は 70 数万円もします。

 もし、ライツ社が今風のデジタルカメラと同じスペックにしていたら、M9 は総スカンだったと思います。ライカファンは保守的で、ライカらしさを珍重します。
 セオリーから外れて、不人気で生産数が伸びなかったモデルは、後に中古が高値で取引されるといった、独特の世界ではありますが・・・

 ミラーレス「一眼」の人気にあやかって、元祖!ウルライカそっくりのデジカメを出したら売れると思います。本国はともかく、日本のカメラマニアは、こぞって買うでしょうね。
 もちろんライツ社が出す可能性は薄いから、サードパーティーに期待するしかありませんが、光学ファインダーすらなかったウルライカが、デジタルで実用機として復活したら面白い・・と考えるのは不謹慎でしょうか?

 銀塩全盛時代に一眼レフを愛用していた世代は、そろそろ引退時期に差し掛かっています。すでにリタイアした人もいるでしょう。
 この層をターゲットにしたときに、銀塩時代と同じ操作感覚のシンプルな機能のデジイチは、一定の支持を得られるのではないか?との予感がします。

2010/09/14(火)撮影に不可欠の機能

 ドブソニアン望遠鏡みたいに、ひとつのこと(大口径)を得るためには、ほかの機能を徹底的に簡素化するという考え方があります。
 仮に、135 フルサイズの撮像素子を使うために、ほかの機能を徹底的に簡素化するとして、どこまで割愛してもいいのでしょうか?

 まず、一眼レフである必要があるかどうかです。個人的にはどちらでも構いませんが、(ん?) ミラーレスにすれば、当然ライブビュー機能は必須です。大きな撮像素子だと、発熱や消費電力など無理が生じます。
 動画機能は不要だから、ライブビューにするよりも光学式のほうがいいと思います。ファインダー視野率は 100% に拘ることはないでしょう。ミラー式の場合、マウントは既存の規格を踏襲します。(あぁよかった)

 露出は、絞りとシャッター速度が選べるのが条件です。P・A・S・Mモードがあればいいでしょう。露出補正とオートブラケット機能は、ないと不便です。シャッター速度は、1/4000 秒はほしいですね。
 ISO 感度は簡単に変更できることが肝心で、自動でシフトしなくても構いません。画質的に実用できる感度だけで十分です。ISO 1600 以上あれば御の字です。最低感度は ISO 100 が選べればいいでしょう。

 記録メディアはコンパクトフラッシュ。SD カードやメモリースティックとの併用なら なお可。(この辺はメーカーに因る)
 画像形式は、RAW+JPEG のほかに、JPEG モードが何種類か選べればいいと思います。有効画素数は、1200 万画素以上。画素数よりも画質優先です。

 内蔵ストロボは不要。その代わりホットシューは必須です。外部ストロボのシンクロ接点もほしい機能ですが、いざとなればホットシューアダプターという手があります。
 手ブレ補正やダストリダクション機能は、コスト高になるなら割愛します。この辺はメーカーの方式に因ります。

 ほかの機能は、あってもなくても構いません。コスト高につながるものは、バッサリ削ぎ落とします。ソフトウェアでできる機能は、コストにあまり反映しないかもしれませんが、利用頻度の低いものは操作が繁雑になるだけです。
 ヒストグラム表示以外で外せないのは、色温度がケルピン数で設定できることと、ホワイトバランスが手動で選べることくらいです。

2010/09/13(月)フルサイズへの拘り

 話題が天体写真からデジタル一眼レフに戻ってきた途端に、「一眼レフはフルサイズ」の持論を展開する形になりました。旧タイプ人間のサガですね。
 諸般の事情で、コニカミノルタのα7デジタルを買ったものの、APSC 専用のレンズは購入しませんでした。心のどこかに、「これは本物の一眼レフではない」という引っ掛りがあったからだと思います。

 APSC 機にもメリットはあります。交換レンズが低価格でできるから、新たにレンズを買い足しても、少ない予算でシステムが構築できます。これはこれでひとつのジャンルと割り切れば、悪い選択ではないかもしれません。
 ただ気に入らないのは、135SLR と同じフォルムをしていたことです。いっそのこと、全く違うデザインで別のシステムだったら、単純に割り切れたのに・・・

 フィルム時代にも APS サイズの一眼レフはありました。ニコンは PRONEA シリーズ、キヤノンは EOS-IXE シリーズ、ミノルタからは VECTIS-S シリーズが出ていました。ミノルタだけは専用マウントです。
 いずれも人気があったとは言えない機種でした。フィルムはフォーマットの大きさで画質が左右されます。表示の焦点距離どおりの画角でないのが不評だったのは、デジイチと同じです。それでも小型軽量化された独自のフォルムを採用していました。

 こうした下積みの経験がありながら、135SLR と同じボディーに APSC サイズの撮像素子を組み込んだ意図が解せません。設計が楽だったからでしょうか?
 技術的な問題のほかに、それまでの一眼レフ人気を継続して取り込みたいという思惑もあったと推察します。不人気だった APS SLR に無理して組み込むより、楽して 135SLR のフォルムを継承したほうが得策です。

 かくして、フィルム時代の面影を引きずりながら、APSC サイズのデジタル一眼レフという特異な分野が定着しました。そこへミラーレス「一眼」の登場です。
 デジタル一眼レフは、まだ発展途上の過渡期で、今後フルサイズ化が進むというのが、私の勝手な予測です。果して結末やいかに?
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