2010/09/12(日)ミラー式はフルサイズに?

 一般大衆向けのデジイチがミラーレスに移行するとして、ではミラー式の一眼レフはどうなるのでしょうか?
 私個人の独断と偏見では、135 フルサイズが主流になると予測します。理由は、ユーザーニーズとメーカーの事情が合致するからです。

 フィルム時代の交換レンズが、そのままの画角で使えないのは、写真愛好家にとっては大きなフラストレーションでした。135 フルのデジイチを買えばいいわけですが、ボディーを購入する予算で、APSC 機ならレンズ一式が揃います。
 迷った末に、APSC 機で妥協した人は多かったと思います。

 フィルム時代の交換レンズが、デジイチで同じように写る保証はありません。とくにワイド系は、使い物にならないレンズが多いはずです。でも、それはカメラを購入した後の話です。
 一眼レフを作っているメーカーは、フルサイズをカバーする交換レンズ群を提供しています。しかもデジタル対応の新設計レンズに総入替しました。このシステム維持が重荷になっています。

 撮像素子の価格が安くなってきたこともあり、135 フルサイズのデジイチが数十万円もする時代ではなくなりました。写真撮影する道具と割り切れば、十万円前後でも採算が合うはずです。
 いままでは、付加価値を利益に結び付けたいというのが、メーカーの考え方でした。普及を促進することで、システム維持の負担を減らす方向に変わる可能性は十分あります。

 一眼レフでシェアの低いソニーが、反転攻勢に打って出そうな予感がします。参入当初の目標だったシェア 10% に、手が届くところまではいったものの、昨年はパナソニックに3位争いで破れるなど苦戦を強いられています。
 ミラーレス機の NEX が好調なだけに、一眼レフをてこ入れする余力はありそうです。ここで踏ん張らないと、αシステムの維持は難しいのでは?

2010/09/11(土)ミラー式へのこだわり

 ミラーレス「一眼」の台頭で、デジタル一眼レフ市場に変化が起きています。比較サイトでは、レンズ交換式のカメラを「一眼」とひとくくりにしていますが、ミラー式とミラーレスを別のジャンルに分けたとしたら、ミラー式の低迷傾向は明白でしょう。

 フィルム時代のフォルムを流用した一眼レフは、デジタル化の恩恵を活かしきれない要素を含んでいました。一番のネックは、ファインダー機構です。撮像素子で受けた画像ではなく、光学式ファインダーでフレーミングします。
 動画機能を持たせるには、不釣合いな構造です。APSC クラスの普及機が、光学式ファインダーの廃止に向かうのでは?との予測は、あながち間違ってはいないと思います。

 初期のコンパクトデジカメには、すべて光学式のファインダーが付いていました。いまは探してもそんなコンデジは見あたらないはずです。
 最初に光学式ファインダーを省略したのは、京セラだったと記憶しています。試作機を見せてもらったときに、メーカーの人は、「果して受け入れられるかどうか心配だが・・」と、自信がなさそうでした。
 一瞬、なんだこりゃ?と思いましたが、液晶が大きいのにボディーは小ぶりです。「ほかにメリットがあればいいんじゃないの?」との評価に、ホッと安堵していました。

 普及型のデジイチは、これと同じ道をたどると予測します。ミラー式のファインダーを省略すれば、小型軽量化はコンデジのときの比ではありません。
 動画機能の搭載が、ミラーレス化を促進するでしょう。動画撮影中は、ミラーボックスは無用の長物です。(固定ミラーは別として・・)

 それでもミラー式にこだわるユーザー層はいるはずです。写真撮影を趣味にしているアドアマ層の多くは、液晶パネルでフレーミングするのに抵抗感があると思います。
 室内はともかく、日昼の液晶パネルの視認性の悪さには閉口します。写りには関係ないのに、ファインダーの「見え味」に拘る人は結構います。(私も!)

 ミラー式はアドアマ層向けのカメラ・・という位置づけになったとき、APSC サイズが主流のままかどうかは、意見の分かれるところです。

2010/09/10(金)透明ミラーの一眼レフ

 SONY α 700 の後継機はまだ見えてきませんが、今日発売されたソニーの一眼レフ α 55/33 は、固定式の透明ミラーを採用した APSC 機です。ミラーを固定することで α 55 は秒間 10 コマの連写を可能にしました。

 固定のハーフミラーといえば、キヤノンのお家芸です。古くはぺリックス、20 年ほど前には EOS RT で採用しています。ペリクルミラーという名称でしたが、今回のソニーは素材が違うので、この呼称は使わないとか・・・

 もうひとつ注目すべきは、光学ファインダーではなく、電子ビューファインダーだということです。α 55 は、総画素数 144 万ドットの EVF を採用しています。撮像素子の映像をプレビューしているので、ホワイトバランスやクリエイティブスタイルの変更が、ファインダー上で確認できます。
 この EVF 方式は、一部のマイクロフォーサーズ機でも採用されています。ファインダー上で拡大画像を確認することも可能です。

 ミラー式カメラとしては斬新な設計ですが、電子ビューファインダーだとすると、果してミラーが必要なのでしょうか?
 どうやらライブビュー中に、位相差 AF センサーを利用するのが目的のようです。光学像を目で見るためではなく、AF センサーに送っているわけです。考えましたね。

 設計がビデオカメラの発想です。ソニーの一眼レフとしては珍しく、HD フル動画機能を搭載しています。GPS 機能まであります。撮影ポイントが同時に記録されるんだとか・・・

 固定ミラーといい、連写速度といい、GPS 機能まで搭載して、デジタル一眼レフの発展を印象づけるα 55 ですが、ひとつだけ古めかしさを感じさせる部分があります。
 135SLR を踏襲したフォルムです。容姿からは、ミラーレスの NEX ほどのインパクトは感じられませんでした。
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