2009/05/14(木)補色のフィルターワーク
プロのフィルターワークでは、こんな色の濃いフィルターは使いません。隠し味的にもっと薄いフィルターを使います。
例えば、木々が生い茂った場所でロケするときに、グリーンを強調するために05G(5%のグリーン)程度のフィルターをレンズ前につけることがあります。目で見た印象に近づけるためです。
ただし、そこにモデルがいたら、モデルにもグリーンの色が被ります。緑色の肌では超人ハルクになってしまいます。(古いか?)
これを打ち消すために、ストロボに薄いマゼンタのフィルターをかけて、モデルに照射します。G+Mは補色の関係だから、足せばグレーになります。
このとき問題になるのが、前回指摘した、ストロボ光の影の部分にレンズ側フィルターの色が被ることです。
デジタル処理をするつもりなら、初めからフィルターテクニックなど使わずに、木々のグリーンだけ後で強調すれば済みます。こうした問題は、フィルムで撮影するときですね。
フィルムは、品種によって発色が異なります。なかには、シャドー側にマゼンタがのるものがあります。FUJIFILMのVelviaなんかは そうですね。この「欠点」を活かして、ストロボの影にのるグリーンを打ち消します。
ストロボ側のフィルターがブルーだったらPROVIAを使う・・といった具合です。
プロの連中は、こうしたフィルムごとの特性をよく知っていて、そのときの状況に応じて使い分けています。アマチュアの多くが、ほとんど1種類のフィルムしか使わなかったのに対して、プロのレパートリーは豊富です。
最近では、デジタル処理で済ますことが多いから、使うフィルムの種類は減ったでしょうが・・・