2009/06/24(水)白い一眼レフ
値段が高いということは、それなりの付加価値があります。中古のライカなんかは、クロームボディーに後からブラック塗装を施したものを「後塗り」と称して区別していました。
カメラの電子化で、金属の外装はプラスチックへと変わります。絶縁しなくていいから、小型軽量化とコストダウンにつながりました。
プラスチックの場合は、銀梨地仕上げよりもブラックのほうが簡単です。素材そのものを黒にするだけです。かといって、それまでの慣習と逆に、シルバーボディーを高くすることには抵抗があります。結局、シルバーもブラックも同価格という形に落ち着きました。
PENTAXだと、MEまでは金属外装(上部カバー)で、MGからすべてプラスチック外装に変わっています。
金属外装の時代には、純金を貼り付けてゴールドボディーにしたり、塗装の色を変えてオリーブ色にしたりと、限定カメラがいくつか出されました。
プラスチックは、色を変えるのは簡単ですが、付加価値がありません。いかに金属のように見せるかに、各社とも腐心したようです。
ミノルタからα8700iの限定バージョンで、「ミール」という名の白いボディーが出されました。純白ではなく光沢ラメの入ったパールホワイトです。同じ色のズームレンズ(35-105mm)とストロボ(AF5200i)がセットになっていました。
日本初の宇宙飛行士・秋山豊寛氏が、宇宙船ミールにα8700iを持っていったのを記念して出されたカメラです。価格は通常品3点を足した値段と同じでした。
ミノルタにいた知り合いが、「果して売れるだろうか?」と心配していたので、誰も買わなくても私が買うから・・と励ましておきました。その手前、買わないわけにはいきません。
ミノルタ主催の撮影会で、「石やん、買ったぜ!」とカメラを見せたら、喜んでましたね。白鏡筒のアポテレ200mm F2.8としっくりいきます。(300mm F2.8は、ボディーが小さくてアンバランスでした)
あまり出番がなかったカメラですが、結婚式の撮影では活躍しました。
珍しいので目立ちすぎたかもしれません。日本では、花嫁より目立たないように遠慮するのがマナーだと言うし・・・