2009/06/27(土)カメラのOEM生産
組み立てラインで、デジタルカメラやケータイの生産も体験したそうです。
トラックが待ち構えていて、作ったハナから製品を満載して出発します。それの繰り返しだそうです。作っても作っても生産が追いつきません。
もし、これが自社製品だったら、自分達の手で販売しなければなりません。とてもこれだけの量を売りさばくことは、不可能だと実感したそうです。他社のOEM製品なら、作ってトラックに積めば終わりです。
自社ブランドにこだわるよりも、売れるブランドを借りて生産したほうが得策だと実感できれば、社内的な抵抗を排除できます。
京セラは、もっとドライで冷たい会社だと思っていましたが、考え方が合理的なだけです。方向転換するときには、社員を納得させる努力を惜しまない・・これには感心しました。
間もなく、カメラ市場から独自ブランドの撤退を発表します。CONTAXは継続するとの含みでしたが、これも時間の問題でした。
海外メーカーとの取引は、すべて契約事です。今期どれだけの販売が見込めるかでライセンス料が決まります。予定通りに進まなければ、ペナルティーの問題が発生するから、ツァイスとの取引継続は、重荷になっていたと推察します。
CONTAX Gシリーズ用のホロゴンなどが「モニター価格」で放出されたのは、こうした事情が絡んでいたのでしょう。憧れのレンズが安く手に入った代わりに、CONTAX製品が市場からなくなる・・という結末を迎えることになりました。
京セラに代わってツァイスのレンズを引継いだのはソニーです。以前からビデオカメラのレンズにツァイスを採用していましたが、ミノルタから受け継いだ一眼レフαシリーズや、デジカメのサイバーショットにも使われるようになりました。
今春、5年間のライセンス契約延長を発表したそうだから、しばらくはツァイスレンズは、ソニーでお目に掛かれそうです。ただし、CONTAXブランドの復活は闇の中です。