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2010年08月08日の記事

2010/08/08(日)ポータブル赤道儀

 天体写真の中でも、星雲などの微小天体をアップで撮影するのは大変です。大口径の望遠鏡にカメラを直付けして、長時間にわたって日周運動を追尾する必要があります。
 しかも、科学雑誌に載っているような感動的で立派な写真は撮れません。職業天文台のようにはいかないわけです。

 この分野の写真は、機材に大きく左右されます。口径が何メートルもある望遠鏡と勝負しようというのは、もろドンキホーテです。
 アマチュアが星の写真を撮るなら、天体星野写真が一番向いています。手元にあるカメラで撮影できるし、目で見るよりも暗い星が写せます。

 地球は自転しているので、星は日周運動で少しずつ動いています。1日に約 361 °回転します。三脚にカメラを固定するやり方では、20 ~ 30 秒以上露光すると、星は点ではなく線として写ります。
 赤道儀にカメラを載せ、日周運動に沿って追尾すれば、長時間露光しても星は点で写ります。これ専用の赤道儀が市販されています。

 天体望遠鏡用の赤道儀と違うのは、赤緯軸がないことです。モーター駆動の赤経軸さえあれば、方向は自由雲台で変えられます。重量を抑えた設計になっています。
 こうした小型軽量のものを「星野写真儀」とか、「ポータプル赤道儀」とか言います。通称「ポタ赤」です。

 昔は、五藤光学のスカイグラフが有名でした。プラネタリウムでは世界的に有名なメーカーですが、現在はアマチュア向けの製品は扱いをやめています。
 いまでもビクセン・高橋製作所・ケンコーなどから、ポタ赤が数万円で市販されています。カバンに入れて持ち歩くことは可能ですが、丈夫な三脚が別途必要です。

 地上の建物や風景と一緒に撮る場合は、日周運動を追尾すると地上の物体が流れて写ります。あまり長時間の露光はお奨めできません。
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