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2010年08月11日の記事

2010/08/11(水)「扇風機」つきの流星写真儀

 流星ハンターのカメラには、特殊な装置が付けられています。レンズの前に扇風機の羽根みたいなものがついています。
 一台の羽根の周りに、4台のカメラを内向きにクロスセットした「流星写真儀」もあります。カメラが4台もあれば、空の広い範囲をカバーできます。

 なぜこんな羽根が必要かというと、流星の速度や曳光時間を測るためです。回転装置にはシンクロナスモーターが使われ、回転速度が一定に保たれています。
 露光中に流星が流れると、破線状に写ります。羽根で隠れる時間と、隙間が開く時間がわかれば、流星の曳光時間が逆算できます。ほかの観測点のデータがあれば、さらに詳しく分析できます。

 羽根の隙間がちょうど半々だとすると、露光時間中の半分は、羽根でレンズが塞がれていることになります。夜空が明るい場所では、フィルムが被る限界時間が約2倍に稼げます。(羽根の裏側はもちろん艶消しの黒です)

 フィルム時代には、B(バルブ)露光がてきるコンパクトカメラの中古品やジャンク品を買ってきて、自作したものです。現在ではデジタル式でしょうが、B(バルブ)ができることは共通の条件です。あとはレリーズですね。

 実際に科学的な資料として流星写真を撮るときは、流星写真儀は必須の装備でした。ただし、一般の人が見ると、流星が破線で写っているのに違和感を覚えるかもしれません。いまはデジカメで動画なんだとか・・・

 夜空のアクセントとして流れ星を使いたいなら、画像合成でやったほうが手っ取り早そうです。流れ星に願い事を唱えると願いが叶う・・こんなロマンチックなシーンに、破線状の流星では不釣合いのような気がします。
 ブツ切れになった流れ星を見て痺れるのは、天文ファンだけでしょうね。
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