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2010年08月21日の記事

2010/08/21(土)コメットハンターはどこに?

 新しい彗星を発見すると、一番乗りは好きな名前がつけられます。「セキ」とか「イケヤ」などは、日本のアマチュア天文家の名前です。二人がほぼ同時に発見した「イケヤ・セキ彗星」は有名ですね。

 彼らのような彗星探索家をコメットハンターと呼びます。夜更かしする必要はありませんが、早起きでないといけません。日没後の西の空か、夜明け前の東の空を望遠鏡を使って、目視で探すのがセオリーでした。
 低倍率の望遠鏡で水平方向に探します。日周運動で星は少しずつ動いていくから、右に左にとゆっくり水平に動かしていれば、効率よく探せます。

 なぜ日没後の西の空や、夜明け前の東の空かというと、彗星は太陽に近づくにつれて明るさを増すからです。口径が 20 ~ 30cm 程度の望遠鏡で発見するには、これが一番確実な方法でした。
 雲の切れ間がある日は、毎日これを繰り返すのがコメットハンターの日課です。夜明け前のヒット率が高かったそうです。かなりの忍耐が必要だったでしょうね。

 現在では、写真で探す方法が一般的になりました。一定範囲を何枚かに分けて撮り、何日か後に撮った写真と比較します。移動している星があったら、それは恒星ではないことになります。
 彗星かどうかはわかりません。小惑星の可能性もあります。天文台などが握っているデータと照合して、新発見の天体かどうかを確めます。

 彗星の探索が写真判定に変わって、昔ながらのコメットハンターは影をひそめました。趣味でやっている人はいるでしょうが、新発見の確率はほとんどなくなりました。望遠鏡では見えない、まだ暗いうちに、写真で発見されてしまいます。味気ないですね。

 新発見と確信したときは、天文台へ「スイセイカ?」というウナ電を打ったと言います。いまならEメールでしょうが、夜明け前に打つことは、もうなさそうです。
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