2010/09/28(火)複写が一番難しい
プリントや絵画の複写は、元の原稿が百点満点です。百点以上はないから、いかに減点を少なくするかが腕の見せ所です。
まず、水平垂直とセンターがきちんと出せることが条件です。あとはライティングですね。均質な照明は、立体的なライティングよりもシビアです。
複写に使う媒体の選定も結果に大きく影響します。原板のサイズをどうするか、フィルムの種類は・・・
銀塩全盛時代には、原板のデュープには専用のデュープリケーティングフィルムを使っていました。こちらはプロラボの仕事です。
反射原稿の複写は、普通は市販品を使います。複写すればコントラストが上がり、ダイナミックレンジが狭くなります。フィルムの選定と露出で、結果が大きく左右されました。
よく利用されたのは、軟調のものです。FUJIFILM なら、ネガはリアラやSタイプ、ポジはセンシアやアスティアあたりです。(当時のアスティアはセンシアのプロタイプ)
モノクロは、現像と焼付でコントラストを調整していました。
デジタルになって、少し様子が変わってきました。ダイナミックレンジの狭いデジタルでは、複数のコマを合成するコンポジット法が有効です。カメラ任せではなく、画像ソフトを使って後処理します。
画像処理で調整できる分、デジタルのほうが有利だと思います。