メッセージ

2011年03月03日の記事

2011/03/03(木)大口径のシュミカセ

 セレストロンの C8 が登場したときは、ビックリしました。8インチのシュミットカセグレン式天体望遠鏡です。(略して「シュミカセ」)
 反射式でも口径が 20cm くらいになると、並みの架台ではもちません。経緯台ならまだしも、赤道儀となるとプロ仕様が必要です。
 C8 は、市販のアマチュア用ドイツ式赤道儀に載せられていました。当時としては珍しいオレンジ色の鏡筒も印象的でした。

 シュミカセは、球面反射鏡の光を副鏡で折り返す構造で、鏡筒の長さがニュートン式の半分以下にできます。
 主鏡の球面収差を前面の補正板(レンズ)で打ち消す方式をとっていました。補正板の中央に副鏡を付け、主鏡の中央に穴をあけて、そこから結像を引き出します。
 カメラ用の反射式レンズと同じ構造です。C8 は 2032mm F10 だから、2000mm F16 反射式望遠レンズを太くしたくらいの大きさでした。

 鏡筒が短いから、アマチュア用赤道儀でも何とか載せられます。写真撮影には不向きですが、眼視での使用ならどうにか耐えられたようです。
 モーターショーでは、キャンピングカーの周辺アイテムとして、よく展示されていました。筒が短いので持ち運びには便利です。

 筒の長さは短くても焦点距離が長いのがシュミカセの特徴です。20cm クラスだと焦点距離は 2000mm ほどあります。高倍率が得やすいので、惑星や星雲などの小天体向きです。
 焦点調節は、主鏡を動かす方式が主流です。本体背面にノブがあって、それを回転させて主鏡を動かします。高倍率ということもあり、ノブを回すたびに星像がビョンビョン動くのが欠点でした。

 C8 は大口径とはいえ、まだ扱いやすい大きさで、自分好みに調整して愛用しているひとは多いみたいです。一時は真剣に購入を考えた時期がありました。
 問題はやはり架台でした。写真撮影をするとなると、並みの赤道儀では不足です。目で見るだけならドブソニアンのほうが手軽で安あがりです。
OK キャンセル 確認 その他