2011/09/29(木)厄介な極軸合わせ

 GPS を利用して正確な撮影場所を記録したり、手ブレ補正機構と併用して日周運動のズレを修整したりと、デジタル技術の発展には目覚しいものがあります。
 それにも関わらず、地球の自転軸と赤経軸を合わせるのは、旧態依然とした方法がとられています。北極星を目印にするやり方です。

 実際には、北極星は天の北極から少しズレていて、天の北極の周りを回っています。時角計算からそのときの位置を割り出して補正するか、近くの暗い星との位置関係から天の北極を探すことになります。
 このとき使われるのが、極軸望遠鏡です。人間の目と勘が頼りです。

 もし北極星が見えない場所だったら、極軸望遠鏡は使えません。緯度がわかっていれば、仰角はほぼ合わせられるし、方位磁石があれば、おおよその北は判断できるでしょう。でも、赤経軸を正確に天の北極に合わせるのは無理です。
 南向きのベランダに赤道儀を設置する場合がこれに相当します。望遠鏡を使って、星のズレる方向を頼りに調整するしかありません。

 東西方向の修整は南天の星を使います。仰角の修整は東か西の星を使います。「上にズレたら西だったっけ・・」と頭で考えてもややこしくなるだけです。天体望遠鏡は倒立像だし、天頂プリズムを使えば左右逆像です。
 実際に架台を少し動かしてみて、ズレが大きくなるようら逆方向に修整するのが間違いないやり方です。それぞれ数回ずつ修整してやれば、ほぼ天の北極に合わせることができるはずです。

 カメラ用の三脚にポタ赤を載せたとき一番困るのは、雲台に上下と左右の微動装置がついてないことです。この問題を解消する適当なパーツが見つからないのが悩みの種です。ビクセンのは安いけど弱そうだし、マンフロは高いし・・・
 LPL からアングル微調雲台 L1261-5 というのが1万円前後で出ています。ライフル射撃の観的用スコープに使う HPT-3 と同型のようです。精度は良さそうだけど、ちょっと小さいですね。

 ミザールから K 型微動マウント(カメラ用三脚取付仕様)というのが1万5千円ほどで出ています。7cm 屈折が同型マウント付の三脚とセットで、2万円以下で売られているのを見てしまうと、ちょっと割高な気がします。(望遠鏡本体は一体いくらなの?)
OK キャンセル 確認 その他