2008/02/26(火)米国の水中結婚写真

 少し前にブログを検索していて、アメリカで花嫁の水中写真を撮っている写真家の話を見つけました。bozthutomu photo の藤田努氏のブログです。
 日本でもリゾート地で「水中結婚式」をやっている話を聞いたことがありますが、スキューバファン向けです。さすがにアメリカあたりだと、こういう写真家が活躍できる土壌があるんですね。日本で水に潜って人物撮影しているのは、子供向けスイミングスクールの写真屋さんくらいですかね。結構いい稼ぎになるそうですが・・・

 興味のあるかたもないかたも、一度ご覧になるようお薦めします。(まずはクリック!)
 藤田氏のブライダルフォトもよい参考になったと思います。プロは光の捉えかたが違いますね。素人では、なかなか同じようにはいきませんが、「上手な写真」の概念が少しは変わると思います。

 アメリカの写真文化の話を続けます。
 デジタル技術を駆使した画像処理が一般化する前には、米国の撮影分野ではアナログ合成によるトリック写真をよく目にしました。鳥かごの中に花嫁がいたり、ガリバーみたいな花嫁がいたり、意表を突く写真がありました。鍵穴の形をしたフィルターマスクなんかも市販されてましたね。
 デジタルの時代になって、素人でも簡単に合成写真ができるようになってからは、なりをひそめましたが、アメリカ人は遊び心があるのか、そういうのが好きみたいですね。

 スクラップブッキングというのも流行りました。写真を切り貼りしてアルバムを作るやりかたです。写真以外の紙素材も使って自由にデコレーションします。日本では筆ペンでおなじみの呉竹から専用グッズが発売されています。
 メーカーの思惑とは裏腹に、どうやら日本では爆発的なブームにはなりそうもありません。紙としての写真に対する価値観が違うからでしょうか? 日本人は、写真を切り貼りすることに抵抗感があるのかもしれませんね。
 そうこうしているうちに、デジタル合成の写真アルバムが急成長しています。米国でのスクラップブッキングは、これからどうなるのでしょうか。
http://boztsutomu.jugem.jp/?eid=167%3c/a

2008/02/25(月)アメリカの写真文化

 アメリカでは写真は飾って楽しむもの。写真額の種類が豊富なことは、前回紹介しました。もうひとつの特徴は、みんなで写真を楽しむことです。
 もともと米国では、プリントするネガよりも映写するリバーサルフィルムのほうが多数派でした。普通の家庭でも電動式の映写スクリーンがあって、ホームパーティーでワイワイやりながら、スライド映写を楽しむ習慣が根付いていました。「こたつでアルバム」の日本とは、かなり様子が違います。

 海外旅行がまだ珍しかったころは、米国で「カラーフィルム」といったらリバーサルを渡され、日本に帰ってきて写真屋さんに行ってからビックリ!なんて話をよく聞かされました。おまけに米国内でしか通用しない「現像券」付きで、今度はガックリ!です。
 スライドフィルムというのは日本語英語で、本国では「スライド」とはいいませんでした。日本に旅行に来たアメリカ人の老夫婦が、写真屋さんで辞書を広げて、片言の「日本語」で「スライド!スライド!」といっていたのを覚えています。
 Kodakのコダクロームを駆逐したFUJIFILMのベルビアが出てからですかね。米国のカメラ雑誌に"SLIDE"という言葉が載るようになり、いまでは英語として通用するようになりました。

 日本で写真を映写してみんなで見る機会は、仕事以外では結婚披露宴くらいですかね。「○○ちゃんの生いたち」とか「二人のなりそめ」など、ゲストの評判はなかなかよいようです。「海外挙式の報告」というのもたまに見かけますが、一緒に行けなかったひとは、どう思うんでしょうね?
 日本ではスライドの原板はまずありませんから、式場や写真屋さんに頼んで複写で作ってもらっていました。最近ではデジタルデータ化して、ビデオプロジェクタで映写する方式に替わってきています。

2008/02/24(日)写真文化の日米差

 ずいぶん前になりますが、アメリカのPMAショーを見学したことがあります。会場は今年と同じラスベガスのコンベンションセンターです。まだ銀塩写真が主流で、業務用のデジタル対応プリンタが出始めのころでした。

 会場はとても広くて、日本のビックサイト(東京)とは比べものになりません。2日かけてもすべてを詳しく見ることはできないくらいです。2年に1度開かれるドイツのフォトキナは、さらに大規模で、2日程度ではすべての会場を周ることすらできませんが・・・
 日本のPIE(フォトイメージングエキスポ)との違いは、業者同士の取引の場になっていることです。日本のPIEは一般ユーザー向けのイベントで、取引の場ではありません。PMAやフォトキナでは、一般ユーザーとは別に業者向けのブースがあって、そこでしか見られない試作品や未発表の情報があります。なかには、ホテルのスウィートルームを借りて商談するメーカーもあるようです。

 ニコンやキヤノンなどおなじみのメーカーと違って珍しく思ったのは、写真額のメーカーが多いことです。○○州○○シティーといったローカルなメーカーがたくさん出展していました。そのうちのひとつで商品を手に取って見ていると、営業担当のオバさんが流暢な日本語で話し掛けてきました。日本のバイヤーも結構来ていたようです。
 欧米では、写真は飾って楽しむものです。日本人は「こたつでアルバム」ですから、写真は紙の文化です。話には聞いていましたが、実際に直接目に触れて、日本と欧米の写真文化の違いを実感することができました。
 いまではこうした海外メーカーからの輸入などで、写真額の種類は豊富になりましたが、昔は種類がなかったですね。木地の額とアルミ額が数種類ある程度でした。

 日本の家屋は、大きな額を架けるスペースが少ないので、せめてキャビネか手札サイズの写真立てでいいから、写真を飾る習慣を身につけたいですね。結婚式の写真をプレゼントするなら、洒落た写真立てに入れ、メッセージカードを付けてあげてください。子供が生まれたら、その子の写真も飾るような暖かい家庭になるといいですね。
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