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2008年02月22日の記事

2008/02/22(金)写真廃液の問題

 写真屋さんに置いてあるデジタルカラープリンタは、ほとんどが「現像液」を使うウェット処理の機械です。銀塩ペーパーを使っているので、きれいで長持ちする写真ができます。
 難点をいえば、以前にも話題にしましたが、薬液の管理が難しいことと、もうひとつは「廃液」の問題です。かなり前は海洋投棄していましたが、現在では地上で焼却しています。もちろん、専門の業者が回収して、産業廃棄物として処理しています。環境にはあまり優しくないシステムといえますね。

 フィルム現像機を設置する場合は、地元の保健所に「公害特定施設」の届け出が必要です。いまどき新たに設置する業者はいないと思いますが、無届けだと問題が生じます。印画紙から写真を作るプリンタは、届け出の義務はありません。問題になる薬品は、フィルムの現像液にしか含まれていないからです。

 フィルムが市場から姿を消しても、銀塩式の写真プリントは当面残ると思います。昇華型やインクジェットプリンタの出力もよくなっていますが、印画紙を使った本物の写真のほうが、やはりきれいです。
 大事な結婚式の写真は、銀塩プリントをお薦めします。業者に撮影を依頼した場合は、銀塩プリントで納品されるはずです。スナップ撮影はカット数が尋常ではないので、高速銀塩プリンタでないと効率が悪いということもありますが、やはり品質がよいのが主な理由だと思います。コスト的にも現時点では印画紙のほうが有利のようです。

 一般消費者の中には、インクジェットプリンタのほうがコストが安いと思っているひとが多いようです。確かに写真屋さんの小売価格と比べて、インクジェット紙のほうが安い場合が多いし、インクのコストを足しても自分で刷ったほうが安く感じるひとが多いと思います。
 しかし、事業者の仕入原価は、印画紙のほうが安くなります。写真に仕上げる業務用プリンタが数百万円から一千数百万円するので、最終的な実質コストは高くなりますが、材料の原価は印画紙が一番きれいで一番安いはずです。1コマずつ大量にプリントする業務用途には、銀塩プリントが一番向いているみたいですね。
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