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2009年10月12日の記事

2009/10/12(月)元祖!スライドショー

 本物のスライドショーを見たことがあります。リバーサル原板を使ってスクリーンに映写する方式です。静止画を連続投影して、まるで動画のような映像表現をしていました。

 スライド映写機を複数使います。ラックを組んで、その上に数台のプロジェクターを設置し、コントローラーで自動制御していました。
 フェードイン・フェードアウトをかけて、画像を切り換えます。映写ランプのオンオフで表現するのですが、画像がゆっくり消えていったり、徐々に現われたりするのは、ランプを電圧で制御しているのでしょうか?

 各1コマはあくまで静止画です。動いているように見えるのは、目の錯覚ですね。
 映写機が2台なら、静止画面がゆっくり入れ替わるだけですが、数台が一斉に次々と画像を投影するので、迫力のある画面構成となります。
 紅葉が散る場面では、木の葉がまるで空中をゆらゆら舞いながら落ちてくる様子をうまく表現していました。ひとつのシーンで数十コマが必要です。後ろのほうで、映写機がコマを切り換える音が、ガチャガチャ鳴っていました。

 シナリオに合わせて撮影したのか、在りポジを後から編集したのか・・・
 多分、両方でしょうね。何の台本もなしに、あれだけのコマを用意するのは無理だと思います。途方もない時間と労力をかけたのがわかります。

 上映が終わって、感動と同時に虚無感が残りました。
 映画なら1台の映写機で投影すれば済みますが、静止画に動きを与えるためには、巨大で複雑な投影装置が必要です。設営はもちろん編集も大変だったでしょう。35ミリのスライド原板でここまでやるか!という驚きと、ここまでしないとできないか?という虚しさを同時に感じたわけです。

 時代は変わってデジタル全盛です。本物の元祖スライドショーを見る機会は、もうないかもしれませんね。
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