2009/10/25(日)イタリア製のライトスタンド

 ソフトボックスと同様、輸入品が重用されているのがライトスタンドです。国内ストロボメーカーや三脚メーカーからも、何機種か出されていますが、プロの間で一番多く使われているのは、イタリア製のスタンドでしょう。

 ブランドとしては、manfrotto、MURARO、AVENGERが有名です。
 manfrottoとAVENGERは、フランスのジッツォと同じVITECグループに属しています。VITECの本部は英国です。ここ10年ほどでグループ化が進みました。EU統合と写真産業の低迷が関係しているようです。

 イタリア製が幅を利かせているのは、国産品で使い勝手のいい大型のスタンドが少ないせいだと思います。コメットやプロペットは、コマーシャルスタジオよりも写真館に強いメーカーだったから、背丈の高い大型スタンドは苦手な分野です。
 写真館は、天井にレールを組んで吊下げ式にするところがほとんどでした。とくにスカイライトやトップライトは、天井に固定するか、レールから吊下げるのが一般的な写真室の設計です。

 一方、コマーシャルスタジオは、その都度ライトを組むので、スカイやトップは仮設です。ライトスタンドから長いブームを出して、その先端にぶら下げます。ブームを支えるライトスタンドは、かなり丈夫でしっかりしたものが必要です。
 manfrottoのスーパーブームは、ブームの後端にあるハンドルを回して、先端につけたヘッドの角度を変えることができます。いちいち脚立に登らなくても済むので、一気に普及しました。現在は値上がりして、セットで12万円ほどで売られているようです。

 ストロボメーカーがスポットで輸入したライトスタンドを買ったことがあります。エアクッション式の小型スタンドです。値段は安かったけど、脚基部が弱くて、すぐに壊れてしまいました。スポットものだから修理は利きません。
 ガラガラ引き摺って歩いても壊れないmanfrottoは、いまだにすべて健在です。パーツも手に入るし、大事に使えば一生ものですね。

2009/10/24(土)輸入物のストロボ機材

 輸入品が少ない業務用ストロボですが、周辺パーツは輸入物が目につきます。電源部や発光部と違って、メンテナンスが要らないからでしょう。とくにソフトボックス(バンク)は研究開発が進んでいるのか、国産よりも光の効率が良いと評価されています。

 プロペットが扱っているTKボックスは、側面から見た厚みが半分しかないのが特徴です。ボックス内部にフィルターを兼ねたインナーバッフルが吊るせるようになっていて、色温度の低下を補正しています。芯がある割に柔らかい光が得られます。
 難点は値段が高いことです。海外メーカーから仕入れて販売しているから仕方ありませんが・・・

 コメットのウエハーは、TKボックスと同じものです。口金を替えれば他社のヘッドに使えるのも同じです。コメットでは、ほかにキミーラのソフトボックスも輸入しています。こちらはウエハーよりは厚みがあります。
 アマチュアが、ウエハーやキミーラを買うことはないでしょうね。小型のモノブロックストロボが、何灯か買えるお値段です。

 一般ユーザーが使うなら、アジア圏からの輸入物が手頃な価格で供給されています。TKボックスやキミーラほど作りはよくありませんが、3分の1程度で手に入ります。スピードリング(口金)が数千円するのは仕方ないですしょう。

 もっと安くあげたいときは、パラソル(反射傘)がお奨めです。指向性のない面光源で、光量はバンクと比べて半分程度に落ちますが、セットするのが楽で手軽に使えます。激安品なら国産の半額くらいです。数千円ですね。
 直径1.2m以上のジャンボ傘は、たいてい輸入品です。海外の展示会では、人がスッポリ入るほどの大きなものが展示してあります。プラネタリウムに使えそうなくらい巨大な傘です。
 日本国内でお目にかかることは、まずないでしょうね。

2009/10/23(金)写真機材のローカルメーカー

 アメリカのPMAにしてもドイツのフォトキナにしても、日本ではまったく知られていないメーカーがたくさん出展しています。名前を知っているメーカーでも、輸入されている製品は、ほんの一部でしかないのがよくわかります。

 カメラを作っているメーカーは、日本でもよく知られています。ライカやローライ、それにハッセルなどは、世界中に愛用者がいます。
 その一方で、日本ではあまり馴染みのないジャンルがあります。額縁や写真用品は当然として、意外なのは業務用のストロボです。

 もちろんブロンカラーやバルカーは、日本でも愛用しているプロがいますが、海外の見本市に出展しているストロボメーカーは、5社や10社ではありません。フォトキナでは、広い建物のワンフロアーがすべて業務用ストロボのメーカーで埋め尽くされていました。

 裏を返せば、日本で有名なストロボメーカーでも、海外では無名に近い存在ということです。コメットといえどもインターナショナルなブランドではないわけです。
 業務用途のストロボは、メンテナンスが必須です。コンデンサーを取り替えるのに、いちいち本国まで送っていたのでは仕事になりません。サービス体制が整えられなければ、輸入しても売れる見込みはないでしょう。

 「酸化セリウム」の先生は、トーマスのストロボを愛用していますが、メンテナンスをするところがなくなったとボヤいてました。フランス製ではなくアメリカ製のバルカーを作っているメーカーのストロボです。
 前は、写真電気工業(SD)が同じ規格を採用していたので、パーツが手に入りましたが、ストロボの取扱をやめてしまいました。採算が合わないんでしょうね。現在は、蛍光灯RIFAを照明機材の主軸にしているようです。
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