2009/10/22(木)フォトキナは銀塩最後の砦?

 キヤノンが米PMA2010への出展を見合わせたことで、PMAのあり方が変わってくるかもしれません。旧態依然の写真産業見本市では、大手家電メーカーをつなぎとめるのが難しくなっています。

 大手家電メーカーがPMAに魅力を感じないのは、米国市場の冷え込みが最大の要因だと思います。商談会の性格が強いことも影響しています。わざわざPMAの場を利用しなくても、大手は独自にビジネス展開する仕組みを持っています。中小零細企業の細かい商売に付き合っていられない・・というのが本音でしょう。

 ドイツのフォトキナは、2年に1回の開催です。世界最大の写真と映像のイベントです。会場の規模は、アメリカのPMAの比ではありません。
 ケルンメッセは、いくつもの建物がつながった巨大な展示施設で、ひととおり歩いて回るだけで丸1日かかります。じっくり見ようと思ったら、最低でも3日は必要でしょう。1週間の会期中、通しで見られる入場券を買うのが普通です。
 部門別に会場が分けられているから、興味のある分野だけ集中的に見ることができます。2階建ての広い建物すべてが写真額のブースの集まり・・といった具合です。

 大手のメーカーは、ワンフロアーを借り切って、独自の展示をすることができます。ヨーロッパだけでなく、全世界からディーラーが集まるから、不参加というのはマイナスイメージになります。
 ほかの見本市に比べて、フォトキナの設営費は安いと言います。長期間の出張経費を足しても、日本でやるよりは出費が少ないとか・・・

 ヨーロッパは伝統と文化を大切にする土地柄です。モノクロの銀塩材料だけ供給している企業が何社もあるくらいです。
 世の中から銀塩写真が消えてなくならない限り、フォトキナでの展示は続くでしょうね。展示スペースは小さくなると思いますが・・・

2009/10/21(水)銀塩離れのカメラショー

 毎年3月に開催されていた日本のカメラショー「フォトイメージングエキスポ(PIE)」が、来年から変わります。名称が「CP+2010」になり、会場もビッグサイトからパシフィコ横浜に移ります。

 主催は、カメラ映像機器工業会(CIPA)で、日本写真映像用品工業会の協賛が決まっています。感光材料とラボ機材の工業会が抜けた形です。脱銀塩の方向が鮮明になりました。

 米PMAショーに不参加を決めたキヤノンは、日本のCP+2010には出展する意向を表明しています。PMA不参加の理由は、「総合的に判断して・・」となっていますが、PMAの性格に起因していると思われます。
 日本のカメラショーは一般ユーザー向けですが、米PMAは業者の商談の場です。いまだに銀塩写真を包括していること、中小業者の出展数が多いこと、アメリカ市場が冷え込んでいることなどが、経費対効果でマイナス材料となりました。
 中小の写真関連業者には有益でも、大手企業にとってメリットは薄いと判断されたようです。

 ドイツのフォトキナは2年ごとの開催で、前回は昨年9月に開かれました。ちょうどリーマンショックの初期です。まだ参加社数が激減するほどの影響はありませんでした。
 半年後に開かれた米PMAは、参加者が半減したそうです。フォトキナも少しズレていたら、大きな影響を受けたはずです。フォトキナの次回開催は来年秋の予定です。今年はありません。運がいいですね。

 フォトキナもPMAと同様に、商談の場という色彩が強いイベントです。デジタルカメラが普及し始めのころに、視察に行ったことがあります。
 入場料を払えば一般ユーザーも見学できますが、商談ブースや業者専用スペースには入れません。たまたま顔見知りの日本人スタッフがいて、商談ブースでコーヒーをゴチになりましたが・・・

 日本の家電メーカーも何社か参加していました。デジタルカメラの伸びを当てこんでの出展です。ソニーのブースは、やたらと広いだけで、何の魅力もありませんでした。参加することに意義があったのか、それともフォトキナ自体に期待するものがなかったのか・・・
 昨年は打って変わって、力の入ったブース展開だったようです。α900を出すなど、出展するメリットがあったからでしょうね。

2009/10/20(火)中判のデジカメ

 マミヤから新製品の中判デジタルカメラ 645DFが発売されます。デジタル専用機としては、2005年12月発売の Mamiya ZD以来です。
 いままでの645Dシリーズは、フィルムバックとデジタルバックを兼用できる設計でした。今回の645DFはデジタル専用で、フィルムは使えません。

 マミヤは、業務用デジタルバックのPhase Oneと、世界的な光学メーカーSchneider-Kreuznachとの協業を発表しています。ZDの撮像板は Dalsa社製でしたが、645DFに装着するデジタルバックは、Phase One社が発表したものと同じです。
 M18(1800万画素)、M22(2200万画素)、M31(3100万画素)の3種類のデジタルバックが選べます。フィルムを無視することで、巻上時間の短縮など諸問題をクリアできたと言います。Phese Oneからも同名のカメラが、9月に発表されています。

 一番安いシステムでも100万円以上します。自動車を買うか?カメラを買うか?の世界です。カメラは車と違って、CMに「子供店長」が登場することはないし、省エネ減税もありませんが・・・(カメラは消費税だけでしたね)
 645DFは一般ユーザー向けではなく、業務用のデジタルカメラです。業務用途でブローニー以下のフィルムは、今後まず需要はないでしょう。

 PENTAX 67Ⅱ、645NⅡは、今年3月に製造中止を予告しています。9月をめどに・・というから、すでに終了しているものと思われます。9月までの半年間の生産予測は、67Ⅱが約250台、645NⅡが約450台となっていました。寂しい数字です。
 PIE2009に参考出品した 645 Digital は、2010年発売予定とアナウンスされています。同時にsmc PENTAX-D FA 645 55mm F2.8も参考出品されていたから、単なるノロシではなさそうです。645の交換レンズは、製造中止になっていないところをみると、本気で出すつもりでしょうね。

 PENTAX 645シリーズは、業務用途というよりはアドアマ層の支持が高いカメラです。交換レンズの普及状況から考えて、一般ユーザーの手の届く価格にできるかどうかが勝敗の鍵を握っていると思われます。
 巷の噂では、米PMAショー2010で発表とか・・・ 来年2月までお預けですね。ところで、キヤノンはPMA2010への出展を見合わせるそうです。発表するタマがないんでしょうか?
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