2009/10/16(金)フルサイズのデジイチ

 一眼レフに比べてフランジバックの短いライカMシリーズに、フルサイズのデジカメが加わったのには驚きました。前回話題のライカM9です。周辺光量の低下をカバーするために、周辺部の素子を中心寄りに傾けた新開発のCMOSを採用しています。1800万画素のコダック製CMOSです。

 Mマウントよりもフランジバックが長い135一眼レフなら、フルサイズ化のハードルは低くなります。価格はともかく、各社からすでに何機種か発売されています。
 ひところ噂されたソニーの新製品 α850は、海外のみで国内販売はしないようです。135フルサイズ機でいよいよ20万円を切るか?と期待していましたが、今回はハズレです。日本国内は当面の間、α900だけでいくつもりでしょうか?

 キヤノンの新製品 EOS 7Dは、APSCサイズの上位機種です。1800万画素CMOS、視野率100%、秒8コマ連射、フルHD動画機能などを搭載して、本体価格は20万円弱です。
 APSCサイズのデジイチは、その特徴を活かして独自の地位を確保したようです。派手な機能のないフルサイズ機よりも、台数的にはこちらのほうが売れるでしょう。
 ある程度のスペックまで行き着いたら、次は手頃な価格で買えるフルサイズ機を出してほしいですね。

 あえてフルサイズを求めるユーザーは、画質重視のはずです。いってみれば、中判感覚のカメラでもいいわけです。APSC機みたいな派手なスペックや動画機能は、なくても我慢できるでしょう。
 135フル対応の交換レンズがそのままの画角で使えることと、幅広いダイナミックレンジが得られれば、それ以外の機能(連射速度など)はオマケです。1台のカメラにあれもこれもと要求するよりも、手頃な価格で高画質が得られるほうが、写真を楽しむのに向いています。
 お金をかけるなら、レンズでしょうね。

2009/10/15(木)フルサイズのライカ

 ライカM9がフルサイズだったことで、デジタルカメラのフルサイズ化が加速するのでは?と期待しています。135フル対応の超ワイドレンズが、そのままの画角で使えることに魅力を感じているひとは大勢いると思います。

 ライカM9は、レンジファインダー式です。超ワイドレンズの画角をカバーしていません。M8が24mmまで対応していたのに対し、28mmまでとなっています。M8(8.2)は APS-Hサイズだから単純に比較はできませんが・・・
 24mmや21mmは、外付けのファインダーを使います。内蔵ファインダーでも外付けファインダーでも、実画面とのズレが生じます。フィルムと違ってデジタルは、その場で撮影結果が見られます。気になる人は、レビュー機能をオフにしておいて、いちいち見ないようにしたほうがいいかもしれません。

 ライブビュー機能を持たせれば、一眼レフのようなフレーミングができるはずですが、そうしないところがライカMシリーズとしての拘りです。もちろん動画機能とも無縁です。
 ミラーがないのに「一眼」を名乗るどこかのカメラとは、コンセプトが違いますね。ライブビューを「一眼」というなら、ケータイカメラも「一眼」です。Mシリーズは、やはりレンジファインダーでないと・・・

 ライカファンは、保守的というか拘りが強い人が多いみたいで、フィルム時代でも新製品に対する評価には厳しいものがありました。デジタルカメラに由緒ある「M8」の名前をつけたことに対して、批判的な声が上がったのは当然です。
 それでも、短期間に比較的スンナリ受け入れられたのは、Mシリーズのコンセプトを守り通したからだと思います。巻上レバーがないのと、背面に液晶モニターがあるのを除けば、それまでのMシリーズとほとんど同じスタイルです。
 フィルムが撮像板に替わっただけ・・というのが、評価されたようです。

 135フルサイズ(24×36mm)を「ライカ判」というくらいだから、ライカM8(8.2)がAPS-Hサイズだったことに抵抗を感じている人は多かったと思います。フランジバックが短いボディーに、フルサイズの撮像板を搭載することが難しいのは十分承知していたとしてもです。
 今度のM9は、名実ともにライカ判です。発売早々、予約が殺到して品薄状態だとか・・・(77万7000円もするのに)
 フィルム時代のMシリーズが、ドッと下取に出てくるかもしれませんね。

2009/10/14(水)銀塩終焉の予感

 「酸化セリウム」の先生と話していて、銀塩素材がいつ終わるか?という話題になりました。印画紙はともかく、フィルムの生産中止は早そうです。

 話の発端は、KodakのEPYが製造中止になったことでした。現像所から「在庫限り」の案内がきたそうです。EPYはタングステンタイプのリバーサルフィルムです。先生のブツ撮りの定番フィルムでした。
 実は、EPYだけでなく、EPPやモノクロフィルムの一部も生産中止が発表されています。年内をメドに販売終了の予定だそうです。

 コダック愛用者の間では、「外堀が埋まった」とか、「いや、もうすでに内堀が・・」という悲嘆の声が聞かれます。世界トップシェアのKodakの動向は、フィルムを愛用している人には、悲観的に受けとめられているようです。
 品種を絞って存続を図る・・ということならいいのですが・・・

 ブログの投稿で FUJIFILMのフィルム終了は2013年という予測があったことを紹介すると、御曹司は「フィルムはあと5年と聞いている」とのこと。いずれにしても収束に向かっているという認識は同じです。
 いまのうちにフィルムでの撮影を楽しんでおいたら?と水を向けると、先生からは「もういい」との返事。いままでにCM写真で嫌というほどフィルムを使ってきたから、もう未練はないのかもしれません。

 「今度のライカM9はよさそうだね」とか言ってました。心はすでにデジタルのほうに向いているのでしょうか?
 値段が高いことを指摘すると、「75万円で買えれば安い」と言います。M8.2を真剣に考えていたみたいです。新発売のM9は 135フルサイズだから、安いといえばそう言えなくもありませんが・・・

 ライカのサイトを見てみると、「生涯にわたって愛用」という言葉が登場します。確かにライカMシリーズは「一生もの」ですが、デジカメはどうでしょうか?
 いくらライカが堅牢でも、フィルムがなくなっては、一生使い続けることはできません。Leica M9に搭載の1800万画素のCCDは、Kodakのイメージセンサーです。フィルム式にせよデジタル式にせよ、ライカが一生ものであるかどうかは、どうやらKodakが握っているようです。
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