2009/10/07(水)式場側との交渉

 結婚式場やホテルの多くは、挙式時の撮影を制限しています。所属カメラマンや提携先の写真屋以外の撮影を禁止して、写真撮影と写真集の利権を独占するためです。

 禁止の理由は、「荘厳な雰囲気を壊すといけないので…」という言い回しが多いようです。「利権を守るため」と、本音を言うところはないでしょうね。
 「荘厳な…」という言い分の後ろ盾は神様です。神式やキリスト教式では、「神様」は会場側が握っています。それなら、人前式はどうでしょう?

 本音は、撮影の利権を確保することだから、人前式でも渋るはずです。神様を盾にすることはできないものの、なんだかんだと理由をつけて抵抗します。
 粘り強く交渉すれば、大抵は「持込料」を払えばOKということになるようです。条件付でも「OK」の返事をもらえば、主導権はこちらに移ります。

 姉の娘の結婚式は人前式でした。交渉したら、持込料を払えば撮影してもいいとのこと。そこで、「あんたの所は花嫁の叔父さんが撮影するのに金を取るのかい?」と文句を言ったら、「叔父さんですか、仕方ないですね」とスンナリ折れたとか・・・

 知り合いの写真屋の娘さんが結婚したときは、会場側とかなりもめたそうです。写真が本業なのに、自分の娘の結婚式を撮影できないというのは、納得できなかったんでしょうね。
 ご多分に漏れず「荘厳な雰囲気を壊すといけない」というのが、会場側の言い分です。どうしても合点がいかなくて、「うちも相手先も気心の知れた者ばかり・・もしオタクのスタッフに少しでも粗相があったら、式場から摘まみ出すがそれでもいいか!」と凄んだそうです。

 こわもてタイプのオヤジだったから、式場側は「これはヤバイ」と踏んだのか、渋々撮影を許可しました。プランナーの顔は引きつっていたそうです。「それでも笑顔を絶やさないようにしていたのは大したもんだ」と妙に感心してました。
 お金が絡む交渉事は、厳しい駆け引きがつきものですね。

2009/10/06(火)リハーサルを撮影する

 挙式時の撮影が制限されている場合でも、式が始まる前なら撮影できることがあります。無人のチャペルを撮っておけば、あとで使い道があります。誓約書にサインする羽根ペンやステンドグラスなどは、アクセントとして使えそうです。

 撮影させてもらえないときは、式場風景の載ったパンフレットを要求します。あとからスキャナで取り込んで利用するためです。面倒がられて「撮ってもいいよ」ということになればラッキーですね。

 挙式時の撮影は不可でも、リハーサルならOKという可能性があります。新郎新婦にくっついていって、一緒に潜り込めればこちらのものです。
 スナップ写真を撮るふりをして、ベールアップや指輪交換のシーンをバッチリ押えます。アップで撮れば、本番もリハーサルも似たようなものです。牧師や参列者がいないだけですから・・・

 挙式前に何とか利用できそうなカットを撮れたとしても、ゲストの姿がありません。ゲストが式場に入場するシーンも撮っておきましょう。
 一番最後に入場して、参列者が並んでいるところをすばやく押えます。まだ式典は始まっていないから、文句はないはずです。

 ここで一旦抜け出して、入場前の花嫁と父親のツーショットを撮れれば、写真班としては完璧です。係員のマークをどうやって振り切るか?ですね。
 ここは「親娘の記念写真を撮ったらすぐに入るから・・」と口説くしかなさそうです。「式場の中では撮れないし・・」と、無抵抗であることを表明しておけば、安心してスンナリ妥協するかもしれません。

 あとは挙式後のゲストの退場シーンを撮るだけです。一番最後に入場して、一番最初に出るのが写真班の基本です。退出の順番が決まっているようなら、ケータイに出るふりをして、そそくさと退場すれば、とがめられることはないでしょう。強行突破あるのみです。

2009/10/05(月)写真集に小物を活用

 写真集の編集に欠かせないのが、「小物」のカットです。
 小物といっても、ブーケやアクセサリー類だけではありません。ウェルカムボードや会場の装花など、当日の雰囲気を伝えるのに有効なすべての被写体が対象です。

 こうした小物類は、早めに会場に入って、人が少ないうちに押えておきます。
 結婚式が始まったら、時間に限りがあるから、どうしても人物中心の撮影になりがちです。ウェディングケーキや各テーブルの装花などは、無人の会場のほうが自由に撮影できます。

 誰もいない披露宴会場全体を押えておくのも忘れないようにしたいですね。超広角レンズの出番です。
 テーブルの並びを撮るときは、椅子の上に乗って高い位置から俯瞰で撮影します。(誰もいないからといって、靴を脱ぐのを忘れないように!)
 シャンデリアが豪華なら、仰角ぎみのカットも撮っておきます。対角線魚眼レンズで撮ればシュールな表現になります。こういうときくらいしか出番がないレンズだから、しっかり使い倒しましょう。

 ご両家の控え室には大抵、家名の書かれた看板か行灯があるはずです。これも忘れずに撮っておきます。文字を合成するよりも画像で表現したほうが、写真集のまとまりがよくなります。
 写真集に使われる文字は、ほとんどが英文です。日本語の文字は、全体のバランスを崩します。写真の中にさりげなく写っているのがミソですね。

 披露宴が始まる前は、キャンドルに灯が点いてないことがあります。ひとつくらいならライターで・・というのもアリですが、勝手に点けるのもはばかられます。
 本番になったらどの角度で何ミリのレンズで撮るかをシミュレーションしておきます。前ボケに使うか、キャンドルだけで撮るかを事前に頭の中に入れておけば、本番で迷うことはないでしょう。
OK キャンセル 確認 その他