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2012年01月24日の記事

2012/01/24(火)コダックは懐かしのブランド

 先週、米コダック社が民事再生法の適用を申請したとのニュースが流れました。写真産業では世界トップの企業だっただけに、ニュースの扱いもそれなりの大きさでした。
 では、実際の影響はどうかというと、それほどでもないのが現実です。これが事態の寂しさを象徴しているように思います。

 日本法人(コダック株式会社)は申請の対象外です。コンシューマー部門の国内総代理店・加賀ハイテックが、「今後のコダック製品の供給について」という文書を公開した程度です。
 加賀ハイテックといえば、かつて富士フイルムの特約店だった樫村を事業統合した会社です。特約解除で樫村がコダックの代理店に流れたときには、まだデジタルカメラ部門がありました。親会社の加賀電子にしてみれば、事業統合の狙いはデジタル部門で、銀塩部門はついでに引き受けた形です。

 フィルムは、おそらく近いうちに値上げされると思います。利用者がますます減り、負の連鎖ですが、それが宿命です。そして最後は市場から消えてなくなるでしょう。
 仮にコダック製品が市場から姿を消すことになっても、大きな混乱はないと予想します。かつて世界を牛耳っていた巨人は、すでに見る影もありません。

 市場が関心を寄せているのが、コダックが握っている膨大な特許がどうなるかです。デジタル関連部門を手放したいまとなっては、特許の売却が生き残りの糧となりました。
 あとは Kodak というブランドですが、残された製品が衰退の一途では、高く売れるかどうかは甚だ疑問です。

 今回の発表で目立った反応は、製品がなくなる危惧ではなく、昔の栄華を懐かしむ話が多かったことです。コダックは既に懐かしいブランドになってしまったようです。
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