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2012年01月29日の記事

2012/01/29(日)儲けの薄い光学製品

 レンズを使った製品には、大きく分けて2つのタイプがあります。双眼鏡・望遠鏡などの工業製品と、メガネなどの加工品です。同じ光学製品でも利益率がまったく違います。

 双眼鏡は最もポピュラーな光学製品です。販売ルートもカメラ店、デパート、ホームセンター、眼鏡店と様々です。このうち眼鏡店だけが、加工品を主に扱う業態となります。
 昔、ある一流光学メーカーの人に聞いた話では、一般の物販店(例えばカメラ店)と眼鏡店では、商品を卸す掛率が違っていたそうです。カメラ店の仕入れ価格よりも眼鏡店のほうが 5% 安かったと言います。

 ところが、他業種より安く仕入れられるのに、眼鏡店で双眼鏡を積極的に扱うところはなかったそうです。3割程度のマージンでは委託商品と似たような掛率で、買取して扱うだけの魅力がないのが理由でした。メガネは儲かるんですね。聞いた話では、折れて曲がる商売だとか・・・

 メガネ業界は、レンズメーカーよりも店のブランドのほうが強いと言われています。技術とサービスがモノを言う世界です。レンズメーカーは、素材メーカーでしかないんですね。
 カメラ業界では2大一眼レフメーカーのニコンですら、メガネ業界ではただの素材メーカーの扱いです。HOYA もツァイスも同様です。

 メガネ以外の商品で、眼鏡店が力を入れているのは補聴器です。金額がのすし、掛率がいいからでしょうね。3割マージンの双眼鏡や顕微鏡は、バカバカしくてやっていられないみたいです。
 その一方で、天体望遠鏡の専門店を経営している眼鏡店もあります。こういう店は思わず応援したくなりますね。
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