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2012年01月27日の記事

2012/01/27(金)撮影に転進組はいま?

 写真業界とひと口に言っても業態は様々です。一般的には、フィルム・印画紙などの銀塩材料を主に扱う業種を指すようです。ということは、写真業界はほぼ崩壊したと言っても過言ではないでしょう。

 昔は、カメラ店が DPE の受付窓口になり、総合ラボに現像処理を委託していました。メーカー系列の現像所が全国を網羅していきます。1970 年代はラボ全盛時代でした。
 そのうちミニラボ機が登場し、自家処理するカメラ店が現われます。それまで3割程度だった取次マージンが、一気に増大しました。銀塩写真が生む利潤は、総合ラボからミニラボへと移動していきます。

 利益率の悪い物品販売に見切りをつけ、DP に特化する小売店が続出します。屋号の「○○カメラ」は名ばかりで、実態は DP 屋でした。儲かる分野に「選択と集中」をしたわけです。
 これがのちにアダとなります。デジタルカメラの登場です。

 DP 店の多くは、利益の根源がフィルム現像にあることを自覚していませんでした。数百万円の設備投資をしたプリンターのほうが、稼ぎ頭だと錯覚していたようです。デジタルプリントを集めるだけでは、経営を維持することが難しい状況になりました。
 物品販売はとうの昔に放棄しているし、再開しようとしたところで商材もルートも変わっています。唯一残された道は、撮影分野でした。

 いまでも営業を続けている写真店の多くは、撮影に力を入れているところです。こども写真館に変身してしまった店もあります。思い切って業態変更した店のほうが儲かっているみたいです。
 多くの写真店には、まだ店頭に銀塩式のプリンターが置いてあります。これがあるうちは、業態変更したとは言えないでしょうね。
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