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2011年10月05日の記事

2011/10/05(水)パノラマ撮影の光軸合わせ

 きちんとしたパノラマ写真を撮る場合は、カメラを縦位置にセットする話をしました。標準レンズで 360°を撮影するには、最低でも 14 カット必要です。実際には画面が重なるように撮るから、もう少し多いカット数になります。
 正確にパーンするために、角度目盛のついたパノラマヘッドを使います。しっかりしたものは、いいお値段です。

 縦位置にカメラをセットすると、三脚のセンターポールから光軸が外れます。これではパーンしたときに視差が生じます。レンズの光軸が絶えず三脚の中心にくるようにするには、可動式のL型のブラケットを使ってカメラの位置を調整します。雲台の縦位置機能は使わないので、パノラマヘッドの上にL型ブラケットを直接取り付けます。

 レンズがなければ、フィルムや撮像センサーの中央を回転軸の中心に据えれば、視差は出ないはずです。ところが実際にはレンズを通した光で撮影するので、それでは視差が生じます。標準レンズの場合は、レンズの前玉あたりに回転軸を持ってくるとズレが少ないようです。

 パララックス(視差)が出ない回転軸の位置をノーダルポイントと言います。見つけ方は、撮影位置から見て重なるように2本の棒を離して立て、カメラをパーンしたときにズレない位置を探します。
 2本の棒は、ある程度距離が離れていないと意味がないので、実際には、遠景の木や電柱と重なるように近い場所に棒を立てます。もし、画面の隅に持っていったときに棒が目標物からズレるようなら、ノーダルポイントから外れていることになります。

 ということは、L型ブラケットは、回転軸にレンズの光軸を合わせるだけでなく、光軸線状でカメラを前後に動かす機能が必要です。かなり複雑で大げさな装置になります。マンフロットなどから市販品が出ていますが、中判カメラ並みの重量で価格も高めです。
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