2009/10/30(金)買い逃がしたハッセル

 中判のカメラは、いままでに何台も使いましたが、ハッセルは1台も買いませんでした。ずーっと気にしていたカメラですが、きっと縁がなかったんでしょう。

 同世代だと、最初に使った中判カメラは「フジペット」という人がいるかもしれません。トイカメラですが、ブローニーフィルムを使ったシックス判でした。
 私が一番初めに使った中判は、ゼンザブロニカのS2です。フォーカルプレーンシャッター内蔵のシックス判一眼レフです。学生時代に「酸化セリウム」の先生から、借金のカタ代わりに譲り受けました。レンズは、ニッコール75mm F2.8と50mm F3.5の2本付きです。

 1年ほど業界紙の記者をやったときに、このブロニカを使いました。取材先のなかには大手企業の経営者もいて、「ほーブロニカか、写りはどうだね」と聞かれたことがあります。
 「まあまあです」と答えたら、自分はハッセルを持っていると言います。香港で安く買ったが、レンズ3本ついて150万円くらいしたとか・・・
 詰まる話が、自分はハッセルを持っている!・・ということを自慢したかったんでしょうね。このとき以来、ハッセルというブランドには特別な感情を持つようになりました。一種のトラウマですね。

 いままでに何回も「ハッセルを買わないか?」という誘いがありました。いつかは買うつもりだったので、乗り気だったのですが、その都度チャチャが入ります。
 「あのボディーは使い倒しているからやめといたほうがいい」とか、「コマーシャル流れを使ってたらしい」とかいう情報が耳に入ります。

 一生ものと言われる人気のカメラが売りに出されるときは、たいてい何か事情があると踏んだほうがよさそうです。ハッセルは、コマーシャルスタジオなど業務用途で使われることが多かったので、出所をきちんと確めないと後から修理代で泣くことになります。
 酸化セリウムの先生みたいに、借金のカタというなら買いですが・・・
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