2010/08/29(日)冷却CCDカメラの自作

 天文愛好家のなかには、冷却 CCD カメラを自作する人がいます。CCD や基盤を自分で組みたてて作るのは、かなりの強者です。
 天体写真を撮るときによく使われるのが、ローパスフィルターを外したデジタル一眼レフです。改造機ですね。これにペルチェ素子を貼り付けて、撮像板を冷却する人もいます。

 Nikon D700 を改造するのは勇気が要るし、もったいない気がします。D700 を潰すつもりなら、その予算で普及型の冷却 CCD カメラが手に入ります。
 一般的には EOS Kiss の中古品がよく使われているようです。中古なら価格も手頃だし、Kiss シリーズはよく出回っています。

 ローパスフィルターを外すと、交換レンズで無限遠にピントが合わなくなります。平面ガラスでも屈折光路に配置すると、合焦位置が変わるからです。レフレックスレンズのリアフィルターと同じですね。
 同じ厚みのHα透過フィルターを組み込むことで、交換レンズが使えるよう、改造を請け負っているところがあります。改造費が数万円掛かります。

 望遠鏡の直焦点で数十分の露光となると、自動追尾装置付のかなりしっかりした赤道儀が必要です。普通の天文愛好家は持っていないでしょう。
 改造したデジイチに交換レンズを装着してガイドするのが、最もポピュラーな撮影方法です。小型の赤道儀でも 200mm 程度の望遠レンズなら使えます。

 それをペルチェ素子で冷却すれば、ノイズの発生を抑えて露光時間を長く取れます。ペルチェ素子の裏側は、かなり熱くなるので、放熱対策は必須です。
 フィルム時代でも、露光中のフィルムを液体窒素などで冷却していましたが、あれは温度が低いほど実効感度が高くなるからです。ノイズ軽減のためではありません。
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