2011/10/22(土)中判カメラとイメージサークル

 仮に PENTAX 645D のミラーレス機が開発されたとして、マウントはどうなるのでしょう。当然フランジバックは短くなるから、従来の 645 マウントのままでは不都合が生じます。近距離にピントが合わないし、無限遠のさらなる彼方(?)を撮ることはないし・・・

 中判のミラーレス機は、レンジファインダーのマミヤ6や FUJI 645 シリーズみたいなものになると思われます。PENTAX ではライカ判も含めてこうしたカメラを出したことはないから、あまり現実味はなさそうです。

 アダプターで 135 用のレンズが装着できてもイメージサークルの問題があります。超望遠はともかく、焦点距離の短いレンズではケラレが生じます。ホースマンやマミヤ6のレンズは使えるでしょうが・・・

 フィルム時代には、マミヤ 645 や RB67 に、135 用のレンズをつけているのを目にしたことがあります。長玉のフォーシングユニットを切断し、フランジバックを合わせるやり方です。「鳥屋」さんでした。
 イメージサークルが合わないのでは?と聞いたら、イメージサークルは自分で創るものなんだとか・・・

 超望遠レンズのイメージサークルは大きいから、ケラレないものが多いそうです。鳥の撮影なら周辺部の画質がどうの・・ということもないでしょう。
 APSC 専用のズームレンズでも、長焦点側はフルサイズをカバーするものがあります。メーカー想定外の使い方ですが、購入した製品をどう使おうが個人の自由です。

 現在、中判のデジタル機は業務用がほとんどです。ボディーとレンズはフィルム時代のものを流用し、フィルムバックをデジタルバックに置き換えるやり方が一般的です。ハッセルは、いまでも現役です。
 ハイアマチュア向けのミラーレス機に期待する中判愛用者もいるから、手の出せる価格で発売されたら、そこそこ売れるかもしれませんね。

2011/10/21(金)110から中判までのラインナップ

 PENTAX は、一眼レフのパイオニアと言われています。初代のアサヒフレックスは日本初の一眼レフ。2号機はクイックリターンミラーの元祖です。
 ペンタックスの商標は、ペンタゴナル・ダハ・プリズムから取ったとも、ラテン語のペンテコステ(五旬祭)をもじったとも言われていますが、ペンタプリズム説のほうがカメラらしくてしっくりきます。

 一時は 110、135、6x4.5、6x7 と、4種類のフォーマットサイズの一眼レフを揃えていました。ジナーの代理店をしていた時期もあったから、大判のシノゴやバイテンまで、幅広く扱っていたことになります。
 ニコンやキヤノンでも中判の一眼レフは未発売です。ニコンは、レンズだけは大判用まで供給していましたが・・・

 これまでにお世話になった PENTAX は、SP、ME、Z-1、MZ-3、LX Titan、645、6x7、そして番外編でジナー P です。数あるフォーマットの中で、Auto-110 だけは買いませんでした。使ったことはありますが、110 判ではちょっと物足りなさが・・・

 最近発売した PENTAX-Q は、昔の Auto-110 みたいな位置づけなのかもしれませんね。とすれば、Q よりフォーマットサイズの大きいミラーレス機を出す可能性は十分あります。
 一足飛びに、645D のミラーレスを期待する声も聞かれます。風景写真は、機動性のある一眼レフである必要はないからです。645D のボディー価格が高いのも理由のひとつでしょう。

 フィルム時代のレンズをまだ残していますが、135 フルサイズ機は未発売です。もし出すとすれば、ミラーレスの電子ビューファインダー式だと思います。
 LX のデジタル版を切望する声もあります。ただしコスト的な問題があって、実現は難しいでしょう。光学式ファインダーを踏襲するのは、これからはニコンだけになるかもしれませんね。

 ペンタプリズムがなくなっても PENTAX のブランドは変わらないと思います。名前の由来は、やはり「ペンテコステ」だったということですか。

2011/10/20(木)PENTAXが1位だった時代

 PENTAX ブランドとは旭光学工業時代からのお付き合いです。最初に手にしたのは SP でした。まだ高校生だったのに、奮発して 50mm F1.4 付を買いました。昭和 40 年代は、一眼レフではトップシェアのメーカーでした。

 写真団体のコンテストに賞品を出したり、プロの面倒をみたりして、地固めをしていたようです。全国的には3割強のシェアだったみたいですが、特定の地域では4割ほどあったと言います。この団体は PENTAX でなければ入賞できない・・という話を聞いたことがあります。

 カメラ雑誌で、絞込み測光か開放測光か、スクリューマウントかバヨネットか、などという不毛な論争が交わされていた時代です。どちらが進んでいるか明白だったのに、それを押しとどめるだけの力を持っていました。そのうち開放測光の SP-F や自動露出の ES が発売されます。

 SP-F をベースにバヨネットマウント化した「メタリカ」という名の試作品が、カメラ雑誌に載ったのを覚えています。ユーザー反応は、あまりよくなかったような・・・
 そして、バヨネットマウントの K シリーズ投入で、メーカーは非難の嵐にさらされました。進化したのに・・です。

 シェアを握っていたからでしょうね。これがマウントを変えるとユーザーの離反を招くという、カメラメーカーのトラウマになります。その後、ミノルタが本格的 AF 一眼レフα 7000 を発売するまで、大手でマウントを変えたところはありませんでした。キヤノンが EOS マウントに変えたのも AF 化のときです。

 K マウントは公開されていて、採用したメーカーがありました。今回 PENTAX 事業を買収したリコーもその1社です。レンズのブランドはリケノンでした。ほかにチノン、コシナ、シグマが採用しています。
 電子接点付になってからは非公開としたため、シグマは独自マウントに変わりました。一眼レフもオートフォーカスの時代に突入です。
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