2010/05/04(火)人物写真と年齢
人物写真というのは、奥が深いですね。相手が誰でも撮れるとは限りません。なにせ被写体が生身の人間だから、よい表情を引き出すためには、撮影者との関係が影響します。
被写体が年配者や社会的地位のある人だと、撮影者もそこそこのキャリアがないと気後れしてしまいます。「この若造が・・」と思われては、よい結果は無理ですね。
「酸化セリウム」の先生は、人物写真はオハコです。相手が例え誰であろうと、臆することはないでしょう。
現役時代には、流通の仕事はその辺のスタジオを使っている企業でも、俳優を使ったここ一番の撮影は、この先生に依頼していました。役所さんやフォークルの加藤和彦氏のロケ原板を見せてもらったことがあります。
苦労したのはラクダだそうです。銀行のポスターで、著名な大学教授が探検隊スタイルでラクダに乗るシーンです。
気にいらないと、言うことを聞かなかったり、餌を吐き散らしたりして暴れます。こいつは甘いとなめられては、撮影が思うように進みません。
ラクダに話しても言葉が通じないので、一芝居うってアシスタントを大声で怒鳴りつけます。驚いたラクダは、それからは大人しくなったとか・・・
ラクダ心に、こいつに逆らったらヤバイと思ったんでしょうね。動物も人間と同じです。