2010/05/31(月)デジタルものは限りなくタダに

 撮影した画像の表現形態を話題にしていて、「酸化セリウム」の先生が、これからはコレになるんじゃないか?と言い出しました。指差したのは、iPhone です。

 確かに携帯電話やネットブックが、スマートフォンや iPad のような新しく登場したアイテムに集約されていく可能性はあります。現にその傾向です。
 ただ、ここで注意しないといけないのは、デジタル化が進むと、コンテンツは限りなくゼロ円に近くなっていくことです。
 撮影で少しは稼ぎたい・・という話の内容とは、ちょっと違う方向ですね。

 参考までに、最近リリースされた LINUX OS、 Ubuntu 10.04 の話を紹介しました。これだけの OS とアプリケーションが無償で提供されているという事実に、皆唖然としていました。ほとんどの LINUX は、無償提供が原則です。
 「うーむ、リナックスか・・」と、先生は唸っていました。いままでまったく興味がなかったようです。

 先生はコマーシャルフォトのプロだったから、著作権に対しては自分なりのポリシーがあります。タダというのは問題があるんじゃないか?という意見です。
 そうではなくて、よそが無料でできるものを一部の企業が握りこんで、高い値段をつけているほうがおかしい・・ということを説明しました。
 お金を取る以上は、それなりの付加価値がないと、ユーザーは納得しないはずです。タダが足を引っ張るのではなく、品質や機能をより高める牽引役になるとも・・・

 「それは言えてる」と、納得した様子。「ところでお前はどこでそんな情報を仕入れているんだ」と、いぶかしい視線です。この歳になって、LINUX だの HTML だの、普通ではないと異端視です。(光栄です!)

 御曹司は、さすがにデジタル分野には強くて、「Core i7 か・・」、「いや、ファイブで十分じゃないの?」なんて話も、普通に交わせます。
 「お前らの話してることは、さっぱりわからん」と、先生は不満げです。話の輪から外れないよう、気を遣わないといけないとは、先生も歳を食いましたね。

2010/05/30(日)ブライダルフォトへの挑戦

 「酸化セリウム」の先生のところに行ったのは、ブライダル写真集のサンプルを見せる目的もありました。「息子に見せたい」と前回言っていたからです。
 手元にあったのは、身内の結婚式のときの写真集です。私が撮ったのではなく、式場側が撮った写真で、韓国のアルバム業者に作らせたサンプルです。

 何年か前に行った展示会で、たまたま見つけた業者です。話を聞いていたら、無料でサンプルを1冊作ってくれるそうです。呉服屋の二代目と一緒だったからでしょう。振袖アルバムの注文を取りたかったみたいです。
 試しにデータを送ってみることにしました。

 届いたのは、印画紙に表面ラミネートをかけ、台紙に貼り込んでから裁断・製本したものです。合成レザーの黒表紙に、断面が黒縁の台紙を使い、部厚い重厚感のあるアルバムでした。
 中のレイアウトは、お任せです。それらしい体裁に仕上がっていました。

 御曹司は、「へぇー、これがブライダルアルバムか・・」と、中をひと通り見たあとで、どうも自分が考えていたのとは違うといった感想です。
 プロ作家として仕事を受けるなら、これと同じではダメでしょうね。撮影したのは、式場が雇った二十歳そこそこの女性スタッフです。
 毎日同じ場所で同じようなカットを撮影しているから、撮り慣れてはいるものの、どこか野暮ったく感じます。

 自分が撮るならこういうイメージで、アルバムの体裁はこういう風で・・というのが見えてこないと、納得のいくものはできないと思います。
 両親は、何とか撮影で稼げるようになってほしいと積極的ですが、無理強いはいけません。

 御曹司には、その辺の結婚式場やホテルのカメラマンでは撮れない、新しい感覚のブライダルアルバムを期待したいですね。

2010/05/29(土)撮影前にすべてを解決

 御曹司が撮ったテーブルの写真を見ていて、「黒塗りの金属の脚にハイライトの線を入れるともっとよくなる」と、先生のご指摘です。

 「チョークですか?」と言ったら、一瞬「ん?」という顔をしました。アマチュアが何でそんなことを知っとる?という怪訝な表情です。(教えてくれたのはアンタでしょ)
 前に聞いたときは、タンスの縁にハイライトを入れる話でした。どうしてもうまくいかないときのウラ技です。ちゃんと覚えてます。

 セロテープを細く切って、貼り付ける方法もあるそうです。(これは初耳です)
 デジタル画像だから、画像処理でラインを入れればいいように思いますが、「うんにゃ、それではいかん」と首を縦に振りません。
 シャッターを切る前に、解決すべき問題はすべてクリアしておくのがプロの仕事・・というのが先生の持論です。

 フィルム時代は、印刷する段階で写真に手を加えていました。それをさせないようにするのがプロだ、という考え方です。デジタルになってもそれは同じだと言います。
 画像処理に頼るようでは写真は上達しない・・というのは基本的に正しいと思います。失敗のごまかしはいけません。

 銀塩時代、とくにモノクロプリントでは、暗室処理が重要でした。デジタル時代になって、暗室処理は明室処理に変わりましたが、出力調整と画像処理はイコールではないと思います。
 デジタルになって、コントロールできる範囲が広くなった分、撮影がラフになる傾向があります。フィルム代や現像料が要らないことも、それに拍車をかけています。

 一発必中のスナイパーと、マシンガン乱射のギャングと、どちらの弾が当たるか?みたいな話です。「酸化セリウム」の先生は、「ゴルゴ 13」タイプですね。
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