2010/05/07(金)写真家が撮る結婚写真

 ブライダルフォトをやるにしても、「酸化セリウム」の先生の御曹司には、ハコの利権に縛られた茨の道を歩いてほしくはないですね。
 どこかの式場と提携して下請に回るのは、作家活動に支障をきたします。

 フリーで仕事が取れる環境を作る必要があります。一番手っ取り早いのは、知人・友人からの紹介です。料金が取りにくいという難点はありますが・・・
 それでメシを食おうというわけではないから、勉強のつもりで始めるのも一策です。

 インターネットで宣伝する方法もあります。いまの若い人は、ネットで情報を収集します。自分でホームページを管理すれば、経費はほとんどかかりません。
 インターネットを使った宣伝は、全国が相手です。地元と東京以外の地域から依頼があった場合に、どう対応するかという問題はあります。

 ブライダル関係のルートを使う手もありますが、利権が絡む業界なので、その辺の整理をどうするかです。
 幸いなことに、どことも提携しないフリーのドレスショップがあるから、そこを窓口にするのがいいかもしれません。紹介手数料などは一切要求しないところもあります。

 件数は知れていますが、中身を十分理解した人だけを対象にできます。そのためには、宣伝用のパンフレットかチラシを作らないと・・・
 そんな話をしていたら、先生が「そういえば知人の結婚式がある」と、思い出したように切り出しました。奥さんも「そうだ、あの人がいい」と乗り気です。

 ダンナがパッとしないのが難点だとか言ってましたが、主役は花嫁です。あまり絶世の美男美女でないほうが、いいかもしれませんね。

2010/05/06(木)ブライダルフォトと体力

 結婚式の撮影、とくにスナップ撮影は、体力が要ります。時間的には、挙式と披露宴で3時間ほどですが、前後の撮影や部品撮りも入れて、4~5時間ほど掛かります。

 撮影が本業ではないものの、結婚式の撮影を頼まれたことが何度かあります。大抵は身内や知人・友人の依頼ですが、なかには写真館やブライダル関係者に拝み倒されて引き受けたことも何度かあります。
 幸いにも非日常的なレベルだったから、その都度、新鮮な気持ちで撮影することができました。毎月何組もこなさなければならないようなら、もうウンザリでしょうね。

 はっきり言って、ブライダルフォトの撮影は、若いカメラマンでないと務まらない気がします。せいぜい40歳半ばまででしょうね。
 たまの1回ならこなせても、毎週というのは体力的に無理があります。土日連続だったら、2日目は終わってますね。

 ゴルフやスキーは、歳をとってもそれなりに楽しめるというけれど、それは趣味の世界の話です。競技となれば、老兵は黙って去るのみです。
 コマーシャルフォトで食えなくなって、ブライダルフォトへ転進したカメラマンは結構います。腕とセンスはあるものの、問題は体力と気力でしょうね。

 写真部門がハコの下請だというのも辛いところです。式場に呼び出され、「次から35%ね」と、一方的に宣告されて落胆した、という話を聞きました。
 仕事は不安定だし、ピンハネは激しいし、一種の貧困ビジネスみたいなもんです。かといって、フリーでは仕事が取れません。ブライダル業界は、ハコがすべての利権を握っています。

 かくして、ブライダルフォトのカメラマンは、茨の道を歩き続けることになります。十字架を背負って・・・

2010/05/05(水)ブライダルフォトのカメラマン

 結婚式の記念写真は、型モノのスタジオ写真のほかに、デザインアルバム(写真集)があります。若いカップルには、写真集のほうがウケがいいようです。

 ホテルの写真室は、地元の写真館が請け負っているのが普通ですが、写真集用のスナップ写真は、若いカメラマンを起用しているケースが目立ちます。
 結婚式場によっては、自前でカメラマンを用意していることもあります。大抵は若い女性スタッフです。

 被写体が若い世代だから、若い女性カメラマン(正しくはウーマン?)のほうが向いているかもしれませんね。写真集は花嫁中心だから、メイクの段階から撮影できるのも強みです。
 一般的に、型モノ写真を撮り慣れた人は、写真集向きのイメージ表現が苦手です。型を崩して撮るのに慣れていないからでしょう。その点、若いカメラマンは、今風のイメージ表現に長けています。

 いまどきのブライダル写真集は、アルバイトのカメラマンがいつも決まった定位置で撮影し、テンプレートにはめ込む流し込み式です。
 本人はそれしか見ないから気がつきませんが、他のカップルのを見たら内容はほとんど同じです。「世界で一冊」というのは、写っている本人は世界で一人・・くらいの意味しかないですね。

 「酸化セリウム」の先生の御曹司も、友達のブライダルフォトを撮った経験があります。プライベートスタジオと野外ロケでした。そのときはドレスを頼まれて紹介しました。
 どういう写真だったかは知りませんが、先生の話では、結果はまずまずだったとか・・・

 ブライダルフォトというと、コマーシャルくずれが一気に流れ込んだ時期があって、先生はあまりいい印象を持っていないみたいです。
 先生の御曹司には、プロ作家らしいオリジナルな表現にチャレンジして欲しいと思います。オヤジさんの目の黒いうちは、月並みな写真集で終わってしまう心配はないでしょう。
OK キャンセル 確認 その他