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2011年12月23日の記事

2011/12/23(金)赤外線の透視効果は?

 赤外線写真は学術調査にも使われています。肉眼では見えない文字や紋様が、赤外線で撮ると現れることがあります。X 線と同様に、物体を透視する魔法の光だと思われているようですが、実際にはちょっと違います。

 光の波長を長くしていくと、700nm あたりから人間の眼は光を色として感じなくなります。2500nm までを近赤外線と言っていますが、写真撮影に使われるのは 1000nm 以下の波長域です。
 近赤外線の一部は皮膚の下まで透過すると言われています。薄い布くらいは透過する性質を悪用して、盗撮目的で使われたこともありました。そんなことから最近の水着は赤外線を透過しない素材もあるそうです。

 透視効果を出すには、赤外線だけで撮影するのが基本です。IR フィルターで赤外線以外の光をカットします。フィルターは赤黒い色か、ほとんど黒に近い濃いものです。色彩がない世界だから普通はモノクロ画像になります。
 被写体は眼で見えないし、ピントも露出も山勘です。こんな苦労をしてまで盗撮をするのは、よほどの好き者ですね。

 この問題が起きたころ、赤外線フィルターを製造しているメーカーにも問合せがちょくちょくあったそうです。担当部署の M 嬢は、最初の頃は丁寧に応対していましたが、そのうち盗撮目的が多いと知ると、逆質問したりして相手を困らせたとか・・・
 「どういう目的でお使いになるの?」・・いいストレス解消になったみたいです。

 近赤外線よりも波長の長い遠赤外線は、もっと透過力があるように思いがちですが、実際には違います。暖房器具の宣伝で「遠赤外線だから体の奥から暖まる」というのは、どうやら間違った表現のようですね。
 遠赤外線は、皮膚層に達するとすぐに熱エネルギーに変わります。別名を熱線というくらいだから、暖まるのは事実ですが、「体の奥から」ではないわけです。
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